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【AWS】Amazon EC2とは?9つの観点からわかりやすく網羅的に解説

Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)は、AWSのコンピューティングリソースを提供する代表的なサービスです。その特長的な機能を理解し、効果的に運用することは、クラウド環境での成功の鍵といえます。


本記事では、Amazon EC2に関連する9つの疑問から、Amazon EC2の基礎知識について網羅的に解説します。システム概要と特長や、何ができるのか、メリット、効率的な運用方法、セキュリティ、料金体系などについて説明します。本記事を参考にすれば、AWS初心者からオンプレミス経験者まで、幅広いバックグラウンドを持つ方がAmazonEC2の概要と運用上の要点を整理しやすくなりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

Amazon EC2とは|AWSで利用できる仮想サーバー

Amazon EC2とは

効率的な運用を学ぶ前に、まずはAmazon EC2について正しい理解ができるようになることが先決です。この章では、Amazon EC2の基本的な概要に焦点を当て、その重要性と基本原則について説明します。クラウドコンピューティングの中核をなすAmazon EC2の理解は、AWSを活用する上での第一歩です。

AmazonEC2の概要とEC2インスタンスの図

図1 Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)

Amazon EC2は、AWSのクラウドコンピューティングプラットフォームで提供されるサービスの一つです。簡単にいえば、Amazon EC2は、インターネットでアクセスできる仮想的なコンピューターを提供します。また、サーバーの追加・削除、マシンスペック変更も数分で可能であるため、動的なサーバー管理を行うことができます。

Amazon EC2は、用途に応じて幅広いインスタンスが選択可能という特長を持っています。インスタンスについては後ほど詳しく解説しますが、ワークロードに合わせて適切なインスタンスタイプを選択することが可能です。

Amazon EC2でできること | 代表的なユースケース

Amazon EC2はその高い柔軟性と拡張性から、さまざまなビジネスシーンで活用されています。ここでは、Amazon EC2が実際にどのような場面で使われているのか、代表的な4つのユースケースを紹介します。

Webサイト・Webアプリケーションのサーバー

Amazon EC2の最も広く利用されているユースケースの一つは、WebサイトやWebアプリケーションを公開するための仮想サーバーとしての利用です。Amazon EC2は、アクセス数の増減に応じてサーバーの台数や性能を柔軟に変更できます。一時的なトラフィックの急増にもスムーズに対応可能です。Webアプリケーションを配信する場合には、Amazon CloudFrontと組み合わせ、コンテンツ配信を高速化することが推奨されます。Amazon CloudFrontとの組み合わせにより、ユーザー体験の向上とサーバー負荷の軽減を両立させることが可能です。

企業の基幹システム・業務システムの実行環境

Amazon EC2は、物理サーバーの老朽化にともなうリプレース先として、多くの企業で選ばれています。Amazon EC2へ移行することにより、ハードウェアの資産管理やメンテナンスといった運用負荷から解放されるため、コスト削減が実現できます。さらに、AWSが世界中に展開するデータセンターを活用すれば、システムの可用性を高め、災害対策(DR)や事業継続計画(BCP)の強化にもつなげることが可能です。

テスト・開発・ステージング環境

Amazon EC2は、アプリケーション開発におけるテスト環境やステージング環境としても広く活用されています。開発者は必要な時に数分でサーバー環境を構築し、検証が終わればすぐに破棄できるため、開発サイクルを大幅に短縮できます。使った分だけ料金が発生する従量課金制であるため、常時稼働させる必要のない開発環境のコストを最適化できる点も大きなメリットです。

データ分析基盤・機械学習プラットフォーム

Amazon EC2は、大量の計算リソースを要するビッグデータ分析や、AI(人工知能)の機械学習モデル開発といった高度な処理にも利用されます。特に、画像認識や自然言語処理などの複雑な計算には、GPUを搭載した高速コンピューティングインスタンスが活用されるため、モデルのトレーニング時間を大幅に短縮できます。このようなAmazon EC2の活用により、企業はデータに基づいた迅速な意思決定や、新しいサービスの開発を加速させることが可能です。

Amazon EC2のメリットとは|オンプレミスにはない強み

Amazon EC2を利用することのメリットには、大きく以下のような観点が挙げられます。

サーバー構築・調達にかかる時間を大幅に短縮

Amazon EC2を利用する際には、仮想サーバー(インスタンス)をわずか数分で立ち上げることが可能です。オンプレミス環境では数カ月を要する物理サーバーの選定、見積もり、購入、設置といったプロセスが一切不要になります。この圧倒的なスピードにより、ビジネスの要求に迅速に対応し、サービス展開の機会を逃すことがありません。

アクセス増減に合わせた柔軟なリソース変更

Webサイトへのアクセス数やシステム負荷の増減に応じて、CPUやメモリといったリソースを柔軟に変更できる点がAmazon EC2の大きな特長です。さらに「Auto Scaling」機能を利用すれば、あらかじめ設定したルールに基づき、サーバーの台数を自動的に増減させることもできます。機会損失を防ぎながら、リソースの過不足による無駄なコストを排除し、常に最適な状態でシステムを運用できます。

使った分だけの支払いでコストを最適化

Amazon EC2は、高額なハードウェア購入費といった初期投資が不要です。OSや料金オプションによっても変わりますが、多くの Linux ベースのオンデマンドインスタンスでは、最低 1 分間の利用後は 1 秒単位で課金されます(一部の Windows や商用ソフトウエアを含むインスタンスでは時間単位になる場合があります)。

この従量課金モデルにより、リソースを必要な時間だけ利用しやすく、コストの最適化につながります。したがって、アプリケーションの最適化に特化できるうえ、リソースの無駄な消費を削減できます。特にビジネスの立ち上げ期において、コストを大幅に抑制できる点は大きなメリットといえるでしょう。

高い可用性と耐久性で安定稼働を実現

Amazon EC2の利用によって、オンプレミス環境よりもユーザーのメンテナンス負荷を大幅に削減できます。AWSは、1つのデータセンターで障害が発生してもサービスが継続できるよう、複数のアベイラビリティゾーン(AZ)にまたがってシステムを構築できる設計になっています。そのため、自然災害やハードウェア障害に対する高い耐障害性を実現可能です。また、物理的なインフラの保守や管理はAWSが行うため、ユーザーはインフラ運用にかかる手間を大幅に削減し、本来のビジネスに集中できます。

グローバルなインフラを数分で利用可能

AWSは世界中で複数の「リージョン」と呼ばれる地域にデータセンターを展開しており、ユーザーは数クリックで世界中にサーバーを構築できます。海外の顧客に近いリージョンにシステムを配置することによって、通信の遅延を抑え、快適なサービス提供が可能となります。オンプレミスでは膨大なコストと時間が必要だったグローバル展開を、迅速かつ低コストで実現できる点は大きなメリットです。

Amazon EC2のインスタンスとは|スペックの種類と選び方

この章では、Amazon EC2のインスタンスタイプについて詳しく解説し、どのように適切なインスタンスタイプを選ぶかについて考察します。異なるワークロードやアプリケーションの要件に合わせて、性能、メモリ、ストレージ、ネットワーク、価格などの要因を考慮して最適な選択を行うことは、クラウドリソースの効率的な活用に欠かせません。ここからは、Amazon EC2のインスタンスタイプについて見ていきましょう。

インスタンスタイプの種類

インスタンスタイプには、目的に応じて数多くの種類が存在します。本記事では、それぞれのインスタンスタイプの種類と、想定される利用用途について解説します。

インスタンスタイプは、AWS公式の分類では「汎用」「コンピューティング最適化」「メモリ最適化」「高速コンピューティング(アクセラレーテッドコンピューティング)」「ストレージ最適化」「HPC 最適化」といったカテゴリに分かれています(2026年6月時点)。これらは、インスタンスファミリーと呼ばれるもので区別されます。

汎用インスタンス(一般用途向け)

汎用インスタンスは、コンピューティング、メモリ、ネットワークのリソースが均等に提供され、さまざまなワークロードに適しています。このタイプのインスタンスは、Webサーバーやコードリポジトリなど、リソースを均等に使用するアプリケーションに最適です。 2026年6月時点では、最新世代としてM8、T4gなどが提供されており、旧世代のインスタンスファミリーも引き続き利用可能です。

主なインスタンスファミリーとしては、次のようなものが挙げられます。

  • M8g
  • M7g
  • M7i
  • M7i-flex
  • M7a
  • Mac
  • M6g
  • M6i
  • M6in
  • M6a
  • M5
  • M5n
  • M5zn
  • M5a
  • M4
  • T4g
  • T3
  • T3a
  • T2

コンピューティング最適化

コンピューティング最適化インスタンスは、高性能プロセッサを必要とするアプリケーションに最適です。このカテゴリのインスタンスは、バッチ処理ワーク、メディアトランスコーディング、高性能Webサービス、HPC(High-Performance Computing)、科学モデリング、専用ゲームサーバーエンジン、機械学習推論など、コンピューティングリソースを多く必要とするアプリケーションに適しています。2026年6月時点では、以下のようなインスタンスファミリーがあります。

  • C8g
  • C8gn
  • C7g
  • C7gn
  • C7i
  • C7i-flex
  • C7a
  • C6g
  • C6gn
  • C6i
  • C6in
  • C6a
  • C5
  • C5n
  • C5a
  • C4

メモリ最適化

メモリ最適化インスタンスは、大容量メモリを要求するデータ処理ワークロードに迅速なパフォーマンスを提供するようにデザインされています。2026年6月時点では、以下のようなインスタンスファミリーがあります。

  • R8g
  • R7g
  • R7i
  • R7iz
  • R7a
  • R6g
  • R6i
  • R6in
  • R6a
  • R5
  • R5n
  • R5b
  • R5a
  • R4
  • U7i
  • High Memory (U-1)
  • X8g
  • X2gd
  • X2idn
  • X2iedn
  • X2iezn
  • X1
  • X1e
  • z1d

高速コンピューティング

高速コンピューティングインスタンスは、ハードウェアアクセラレータ(コプロセッサ)を活用して、浮動小数点演算、グラフィックス処理、データパターン照合などの機能を、通常のCPUで実行するよりも効率的に実行します。以下のようなインスタンスファミリーがあります。

  • P6e
  • P6
  • P5
  • P4
  • G6e
  • G6
  • G5g
  • G5
  • G4dn
  • G4ad
  • Trn2
  • Trn1
  • Inf2
  • Inf1
  • DL1
  • DL2q
  • F2
  • VT1

ストレージ最適化

ストレージ最適化インスタンスは、大容量のローカルストレージを利用し、大規模なデータセットに対する高速なシーケンシャル読み書きアクセスが必要なワークロード向けにデザインされています。データベースサーバーやキャッシュサーバーなど、データへの高速なアクセスが必要で、大規模なデータセットを扱うアプリケーションやワークロードにストレージ最適化インスタンスが役立ちます。以下のようなインスタンスファミリーがあります。

  • I8g
  • I7i
  • I7ie
  • I4g
  • Im4gn
  • Is4gen
  • I4i
  • I3
  • I3en
  • D3
  • D3en
  • D2
  • H1

ハイパフォーマンスコンピューティング最適化

ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)インスタンスは、AWS上で高性能なコンピューティング作業を行うために作られたインスタンスタイプです。これらのインスタンスは、大きな計算や複雑なシミュレーション、深層学習など、高速な処理を必要とするアプリケーションに向いています。以下のようなインスタンスファミリーがあります。

  • Hpc7g
  • Hpc7a
  • Hpc6id
  • Hpc6a

インスタンスタイプの選び方

次に、インスタンスタイプの選び方を解説します。まずはインスタンスファミリーとしてMを基準に重視するリソースから選択していくことがおすすめです。

AWSにおけるインスタンスタイプは、汎用インスタンス「Mインスタンスファミリー」のスペックが他のインスタンスファミリーの土台となっています。そのため、まずは汎用インスタンスMインスタンスファミリーを使うことを検討しましょう。そのうえで、高速大容量のストレージが必要であれば、ストレージ最適化インスタンス、より大きいメモリ量が必要であればメモリ最適化インスタンスなどに切り替えることがおすすめです。

また、前述のとおりAmazon EC2は作成後にもインスタンスタイプの変更が可能であるため、重視すべきインスタンスタイプがわからない場合には、まずは汎用インスタンスのMインスタンスファミリーを利用してみましょう。

まずは使ってみよう、運用しながら最適化へ。AmazonEC2はインスタンスタイプの変更可!

図2.汎用インスタンスのMインスタンスファミリーの利用

AMI(Amazon Machine Image)とは

AMI(Amazon Machine Image、以降AMI)とは、Amazon EC2インスタンスを起動するためのテンプレートであり、OSやアプリケーション、設定情報などが1つにまとめられたものです。このAMIを利用することにより、あらかじめ構成済みのサーバーを何台でも迅速かつ正確に複製することが可能になります。また、システムのバックアップやディザスタリカバリ(災害復旧)の基盤としても活用されるため、運用の効率化と標準化に大きく貢献します。

バーストパフォーマンスインスタンス(T系)の注意点

Tファミリーに属するインスタンスは、通常は低いCPU使用率(ベースライン)で動作し、必要に応じて一時的に性能を向上(バースト)させることができる低コストのインスタンスタイプです。このバースト機能は「CPUクレジット」という仕組みで制御されており、クレジットを消費することによって高いパフォーマンスを発揮します。開発環境やアクセス頻度の低いWebサイトには最適ですが、CPUクレジットを使い切ると性能がベースラインに制限されるため、継続的に高い負荷がかかる本番環境での利用には注意が必要です。

Amazon EC2の監視とは|安定稼働に不可欠なモニタリング

監視(モニタリング)は、 Amazon EC2インスタンスとAWSソリューションの信頼性、可用性、およびパフォーマンスを維持するために不可欠です。Amazon EC2のモニタリングを始める前に、次の要素を考慮したモニタリング計画を作成する必要があります。

  • モニタリングの目的
  • モニタリングする対象リソース
  • モニタリングの頻度
  • モニタリングツールの使用有無
  • モニタリングタスクの実施者
  • 問題発生時の通知先

まずは、モニタリングが必要とされる理由から、モニタリング方法やツールなどを確認していきましょう。

なぜ監視(モニタリング)が必要なのか

Amazon EC2インスタンスの監視が必要な理由は、システムの安定稼働とコスト効率を両立させるためです。CPU使用率やメモリ使用率といったリソース状況を常に把握することによって、サーバーダウンやパフォーマンスの低下といった問題を未然に防ぎ、障害発生時にも迅速に原因を特定できます。また、収集したデータを分析してリソースの過不足を判断し、インスタンスタイプの変更や台数調整を適切に行うことにより、コストの最適化にもつながります。

Amazon EC2の監視(モニタリング)方法

まずはモニタリング計画を作成するところから始めましょう。次にさまざまな時間帯や負荷条件でAmazon EC2のパフォーマンスを測定し、平常時のパフォーマンスにおけるベースラインを確立します。そして、収集したモニタリングデータの履歴を保持します。こうすることで、現在のEC2のパフォーマンスを過去のデータと比較し、通常のパフォーマンスパターンと異常なパフォーマンスを識別することが可能です。

確立したベースラインから逸脱した場合、CPU使用率の制御、ディスクI/Oの改善、ネットワークトラフィックの削減など、適切な対策を講じる必要があります。

Amazon EC2のモニタリングツール

AWSは、Amazon EC2の監視に役立つ多くのツールを提供しています。これらのツールには、自動監視を設定できるものもあれば、手動で操作が必要なものもあります。

自動で利用できるツールには以下のようなものがあります。

  • Amazon CloudWatch アラーム
  • Amazon CloudWatch Logs
  • CloudWatch agent
  • Amazon EventBridge

これらを組み合わせ、効率的なAmazon EC2の監視環境を構築しましょう。

Amazon EC2のモニタリングと最適化提案

前述のとおり、Amazon EC2のモニタリングに広く利用されているのが、Amazon CloudWatch(以降、CloudWatch)です。CloudWatchにはトラフィックインサイトタブがあり、これを使ってアプリケーショントラフィックの上位概要情報を確認できます。アプリケーショントラフィックは複数の方法でフィルタリングやソートが可能です。

トラフィック最適化の提案セクションには、トラフィックのモニタリング対象都市ネットワーク(ロケーションとASN、インターネットサービスプロバイダー)のフィルターセットと、各都市ネットワークのクライアントの総トラフィック量が表示されます。

結果をもとに、現在あるAmazon EC2を別のリージョンに移した場合などを選択して性能を比較することが可能です。この方法により、AWSのさまざまなリージョンにあるAmazon EC2を使用した場合の、平均時間(TTFB)の予測値を現在のTTFBと比較できます。

このようにCloudWatchを活用することで、異なるオプションを選択し、結果を比較することで、クライアントのパフォーマンスを向上させるための設定とデプロイの計画を立てるのに役立ちます。

Amazon EC2のバックアップとは|データを守る方法と自動化ツール

Amazon EC2インスタンスは、いくつかの手法を使用してバックアップできます。この章では、Amazon EC2インスタンスのバックアップ方法を説明し、どの場面でどの手法を選択すべきかについて説明します。

バックアップの重要性と取得方式の概要

Amazon EC2インスタンスのバックアップは、万が一のシステム障害や人為的ミスが発生した際にシステムを迅速に復旧させ、事業継続性を確保するために重要です。

バックアップ方式には、主にストレージのボリュームを特定の時点の状態で保存する「Amazon EBSスナップショット(以降、EBSスナップショット)」と、OSやアプリケーション設定を含めたサーバー全体をテンプレートとして保存する「AWS AMI(Amazon Machine Image、以降AMI)」の2種類が存在します。

これらの方式を理解し、要件に応じて使い分けることが、効果的なデータ保護戦略の第一歩となります。

Amazon EC2のバックアップ方法

前述の2つのバックアップ方法である「EBSスナップショットを使用する方法」と、「AMIイメージを使用する方法」について詳しく説明します。

方法1:EBSスナップショットを作成する

Amazon EC2インスタンスのバックアップを行う方法の一つは、Amazon EC2インスタンスが使用している1つまたは複数のAmazon EBSボリューム(以降、EBSボリューム)のスナップショットを作成することです。

Amazon EBSとは、AWSのクラウドプラットフォームで提供されるストレージサービスです。Amazon EBSは、データの永続的な保存とアクセスを可能にし、AWSクラウド内のさまざまなサービスやEC2インスタンスと連携して使用できます。

EBSスナップショットを使用すると、特定の時点でEBSボリュームの状態を保存し、あとでそれを復元できます。このAmazon EC2バックアップのアプローチは比較的簡単です。しかし、使用中のボリュームを確実にバックアップできないため、最初にインスタンスを停止するか、少なくともバックアップするボリュームをアンマウントする必要があります。

やり方は簡単で、Amazon EC2コンソールからスナップショットツールを選択し、画面の指示に従うだけです。スナップショットの作成プロセスは、キャプチャされるデータの量に応じて数時間かかることがあります。

EBSスナップショットが作成されると、将来データを復元する必要がある場合、例えば災害復旧時などに、そのスナップショットを使用してデータを復元できます。

ただし、注意点として「基本的には手動操作が必要」であることと、「Amazon EC2インスタンスが多数存在する場合や、バックアップを頻繁に作成する必要がある場合には適していない」点については覚えておきましょう。

方法2:新しいAMIを作成する

Amazon EC2インスタンスをバックアップするもう1つの方法は、新しいAMIを作成することです。AMIには、EC2上に仮想サーバーを作成するために必要な、オペレーティングシステム、構成設定、およびデータがすべて含まれています。

AMIを使用したバックアップは、Amazon EC2インスタンスに基づいてカスタムAMIを構築します。復元する際は、そのAMIを使用してクローンを作成します。

EBSボリュームをバックアップする場合は、新しいAMIを作成する前にAmazon EC2インスタンスを停止することから始めましょう。

インスタンスが停止したら、コンソールを起動し、バックアップするインスタンスを選択します。次に、Actions > Image and templates > Create Imageに移動し、新しいAMIの作成方法を設定できるダイアログを開きます。あとは、ダイアログにしたがって進めていけば、AMIの作成によるバックアップが実行可能です。このAmazon EC2バックアップ方法は、EBSボリュームのスナップショットよりも少し複雑で多くの手順が必要ですが、比較的簡単に行えます。

さらに、バックアップ目的でAMIイメージを作成すると、OSと構成データを単一のバックアップイメージにまとめておくことができます。これは、EBSボリュームのみをバックアップするよりも便利です。

しかし、AMIイメージのバックアップにも欠点があります。EBSスナップショットと同様に、このバックアップ方法は手動作業で重くなります。大規模な展開には向いておらず、効率的なバックアップ手法としては適していません。

Amazon EC2のバックアップツール

Amazon EC2をバックアップする方法として、EBSスナップショットを作成する方法と新しいAMIを作成する方法をご紹介しました。これを自動化するためのツールとして、Amazon Data Lifecycle ManagerとAWS Backupがあります。

Amazon Data Lifecycle Manager

Amazon Data Lifecycle Managerを使用すると、EBS スナップショットとAMI の作成、保持、削除を自動化できます。 このツールは、クロスリージョンコピーなどのオプションも提供しており、スナップショットを他のAWSリージョンに自動的に複製することができます。これにより、災害復旧(DR)作業が自動化され、代替リージョンでのサービス継続を行うことが可能です。また、Amazon Data Lifecycle Managerは、Amazon EC2およびAmazon EBSに組み込まれた機能であるため、追加の料金は発生しません。

AWS Backup

AWS Backupは、AWSサービス全体のデータバックアップを一元管理および自動化するフルマネージドのサービスです。Amazon EC2以外のサービスも含めてバックアップを効率的に管理したい場合に役立ちます。

Amazon Data Lifecycle ManagerではAmazon EC2インスタンスごとにバックアップ設定が必要ですが、AWS BackupではすべてのAmazon EC2インスタンスに対して一括でバックアップを設定することが可能です。そのため、新しいインスタンスも追加の設定をせずとも自動的にバックアップ対象になります。

AWS Backupでは、バックアッププランの頻度を柔軟に設定できます。具体的には、1時間ごと、12時間ごと、毎日、毎週、毎月から選択可能です。さらに、CRON式を用いることで、「毎時0分に実行する」といった、より詳細なスケジュールを指定することもできます。

また、AWS Backupの料金はバックアップデータのデータ量とリージョンに基づいて決まります。詳しい金額は、公式サイトをご参照ください。

Amazon EC2のセキュリティとは|必須となる設定項目と考え方

Amazon EC2を導入する際に特に重要な要素の一つがセキュリティ対策です。AWSを使用してオンライン上でデータを管理する際、セキュリティ対策を怠ると、不正アクセスのリスクが高まり、企業の信頼性に影響をおよぼす可能性があります。この章では、AWS全体のセキュリティ対策から、Amazon EC2のセキュリティに関する考え方や注意事項について詳しく説明します。

AWSの責任共有モデルとは

AWSでは「責任共有モデル」が採用されています。AWSの責任共有モデルとは、クラウド環境のセキュリティ責任をAWSと利用者で明確に分担するという考え方です。

AWSはデータセンターの物理的なセキュリティやネットワークインフラといった「クラウド”自体の”セキュリティ」に責任を負います。一方、利用者はOSのパッチ適用、データの暗号化、適切なアクセス権限の設定といった「クラウド”内での”セキュリティ」に責任を持つことになります。この考え方を理解したうえで、Amazon EC2のセキュリティ対策について考えましょう。

Amazon EC2のセキュリティ対策

Amazon EC2のセキュリティ対策のポイントを3つ解説します。

 IAMユーザー、IAMロールの作成

AWS Identity and Access Management(IAM)は、ユーザーやグループのアクセス権を管理するためのツールです。最初に作成したAWSアカウントは強い権限を持つため、日常的な運用で利用することは推奨されません。

代わりに、個別の「IAMユーザー」を作成し、必要な権限のみを割り当てることでセキュリティが向上します。IAMユーザーは人に紐づく永続的な認証情報で、開発者などがコンソールにログインする際に使用します また、部門やチームごとにIAMユーザーを「グループ」にまとめ、権限を一元管理することも可能です 。​

さらに、「IAMロール」を利用することで、Amazon EC2インスタンスなどのAWSサービスや他のアカウントに対して、一時的な権限を安全に付与できます。IAMロールは永続的なキーを持たないため、よりセキュアなアクセス制御が実現できます。

Amazon EC2インスタンスへのアクセス管理をさらに強化するサービスとしては、AWS Systems Manager (SSM) が有効です。特にSSMの「Session Manager」機能を利用すると、SSHポートやリモートデスクトップポートを解放することなく、Amazon EC2インスタンスへ安全にアクセスできます。

セキュリティグループの設定

Amazon EC2を使用する前に、最初にセキュリティグループを設定します。セキュリティグループはAWSの仮想サーバーへのアクセスを制御するための機能を提供し、インバウンドとアウトバウンドのトラフィックを制御するためにルールを設定できます。これにより、不正なアクセスや攻撃からサーバーを保護し、データやアプリケーションの安全性を確保することが可能です。

マシンイメージのコピーにおけるセキュリティ対策の確認

AWSのセキュリティ対策の要点として、マシンイメージをコピーする際にはセキュリティ対策が最新であることを確認することが重要です。AWSでは、作成した「AMI」をマスターイメージとして使用し、複数のインスタンスにコピーを展開することができます。しかし、コピー元のセキュリティ対策情報が古い場合、セキュリティが脆弱になる可能性があるため、コピーする前に必ず最新の状態か確認することが必要です。

Amazon EC2のセキュリティベストプラクティス

Amazon EC2におけるセキュリティのベストプラクティスは、以下のような点が挙げられます。

  • AWSリソースとAPIへのアクセス管理において、IDプロバイダーとIAMロールによるIDフェデレーションを利用する。
  • セキュリティグループについては、最小限の権限を持つルールを適用する。
  • 定期的にインスタンスのオペレーティングシステムとアプリケーションにパッチ適用、更新、および保護を実施する。
  • Amazon Inspectorを用いて、EC2インスタンスを自動的にスキャンし、ソフトウェアの脆弱性や不正なネットワーク公開がないかを確認する。
  • AWS Security Hubのコントロールを利用して、Amazon EC2リソースをセキュリティのベストプラクティスやセキュリティ基準に従って監視する。

詳細は、AWSの公式サイトをご参照ください。

Amazon EC2のセキュリティ監視

Amazon Inspectorを利用して、Amazon EC2インスタンスの脆弱性診断を自動化できます。Amazon Inspectorは、Amazon EC2インスタンスやコンテナイメージなどを継続的にスキャンし、ソフトウェアの脆弱性や意図しないネットワークへの露出がないかを自動で検出・評価するサービスです。このサービスは、既知の脆弱性情報データベースと照合し、セキュリティリスクを早期に発見するために役立ちます。

IAMユーザーとIAMロールの違いと使い分け

IAMユーザーは、AWSを操作する「人」に紐づくIDで、パスワードやアクセスキーといった永続的な認証情報を持ちます。対してIAMロールは、EC2インスタンスなどのAWSリソースに一時的な権限を付与する「役割」であり、認証情報をリソース内に保持する必要がありません。セキュリティの観点からは、アクセスキーをサーバー内に直接保存する必要がないIAMロールを優先的に使用することが、ベストプラクティスとされています。

脆弱性管理の重要性

Amazon EC2インスタンスのOSやアプリケーションに存在する脆弱性は、サイバー攻撃の侵入口となるため、継続的な管理が不可欠です。前述の「Amazon Inspector」を利用すると、Amazon EC2インスタンスやコンテナを自動的にスキャンし、ソフトウェアの脆弱性や意図しないネットワークアクセスを検出することができます。発見された脆弱性に対して迅速にパッチを適用し修正することが、システムを安全に保つうえでは非常に重要です。

Amazon EC2の料金とは|コスト削減の具体策

Amazon EC2の料金体系は一見するとわかりづらく感じるかもしれませんが、一つひとつを確認していくことで理解できるようになります。この章では、Amazon EC2の料金体系の概要と併せて、コスト削減や最適化の方法を紹介します。

Amazon EC2の料金体系

AWSの料金体系は利用した分だけ料金が加算される「従量課金制」であり、これはAmazon EC2も同じ考え方です。ただし、異なる条件ごとにいくつかの価格プランが存在します。この章では特に代表的な、「オンデマンドインスタンス」と「リザーブドインスタンス(RI)」というプランについて説明します。

・オンデマンドインスタンス

これは最もシンプルな料金体系で、実際に利用した時間に応じて料金が発生します。オンデマンドインスタンスは、短期間の利用に適しています。

・リザーブドインスタンス

リザーブドインスタンスは、1年または3年の利用契約を結ぶことで、利用料金が割引される料金プランです。オンデマンド料金に比べて大幅な割引(最大72%)を受けられる料金モデルとなっています。また、契約時に一括で前払いするか、月ごとに分割して支払うかによって、割引率が異なります。

Amazon EC2 を含む AWS 全体のコストを削減する方法

Amazon EC2を使ってみたら意外にもコストがかさんでしまったという話もよく聞きます。Amazon EC2の料金を削減する方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 未使用状態のAmazon EC2やAmazon RDS (Amazon Relational Database Service) インスタンスへの支払いを止める
  2. 未使用状態の Amazon Redshift クラスターへの支払いを止める
  3. Amazon S3 Intelligent-Tieringを有効にする
  4. Amazon DynamoDB にはオンデマンドのキャパシティーモードを利用する
  5. 十分に活用されていないAmazon EC2 インスタンスへの支払いを止める
  6. 十分に活用されていないネットワークリソースを削除する
  7. Amazon EC2 スポットインスタンス を利用する
  8. Compute Savings Plans を利用する
  9. リザーブドインスタンスを利用する
  10. AWSの公式パートナーによる請求代行サービスを利用する

一つずつは独立しており、すぐに実行できるものなので、ぜひ検討してみてください。

Amazon EC2の料金最適化する方法

コスト削減方法としては、上記に挙げたような方法が有効です。一方で、自社がどの手段を取るのが良いのかを知りたい場合には、Amazon EC2のリソース使用状況などを監視しましょう。不要なインスタンスが立ち上がっていないか、また上限まで余裕のあるリソース状況であるかなど確認し、そうであった場合は適した方策を取ることが推奨されます。

Amazon EC2を始める方法とは|3ステップサーバー構築手順

Amazon EC2は専門的な知識がなくても、画面案内にしたがって設定を進めるだけで、自分専用のサーバー環境を構築できます。この章では、Amazon EC2インスタンスを初めて利用する方に向けて、その基本的な手順を簡潔に解説します。

STEP
AWSアカウントの作成と初期設定

すべてのAWSサービスを利用するための基礎となるAWSアカウントを作成します。公式サイトのサインアップページから、メールアドレス、パスワード、連絡先情報、クレジットカード情報などの入力が必要です。最後に、電話またはSMSによる本人確認を完了させると、AWSの利用を開始できます。

STEP
Amazon EC2インスタンスの起動

AWSマネジメントコンソールにサインイン後、Amazon EC2のサービス画面から「インスタンスを起動」を選択し、仮想サーバーの作成を開始します。ウィザード形式の画面で、OSとなるAMI、サーバーのスペックを表すインスタンスタイプ、ネットワーク設定、セキュリティグループ(ファイアウォール)などを順番に選択します。

STEP
インスタンスへの接続(SSH/RDP)

Linuxベースのインスタンス(Amazon Linuxなど)へは、ターミナルソフトを使い、インスタンス起動時に指定したキーペアの秘密鍵を用いてSSHにより接続します。一方、Windows Serverインスタンスの場合は、リモートデスクトップ(RDP)クライアントを使用して接続する方法が一般的です。これらの方法で作成したインスタンスに安全にアクセスし、操作を行うことができます。

まとめ

今回はAmazon EC2の効率的な運用方法について、基礎知識からバックアップやセキュリティ、料金などについて解説しました。他にもモニタリングや自動化など、多様な検討ポイントが存在します。これらの要素を組み合わせて、AWS環境を安全かつ効率的に運用するためのベストプラクティスを確立しましょう。AWSのドキュメンテーションやトレーニングリソースを活用し、運用のスキルを向上させることもおすすめします。

Amazon EC2のコストとパフォーマンスをさらに最適化したい場合は、AWS公式パートナーの知見を活用することも一つの方法です。

AWSアドバンストティアサービスパートナーである当社が運営する 「CloudCREW byGMO」では、初期費用0円、月額費用0円でAWSコストを削減できる 「AWS請求代行サービス」 をご用意しています。また、AWSの安定稼働を支援し、高信頼のAWS監視・運用代行サービスである 「マネージクラウド for AWS」 のご用意もあります。

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24/365のAWS監視・運用代行

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当記事の監修

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が運営するCloudCREW byGMOでご紹介する記事は、AWSなど主要クラウドの認定資格を有するエンジニアによって監修されています。

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