AWSアカウントとは、AWSを利用するために必要な「会員証」であり、同時にサーバーやデータなどのリソースを管理・保護する「箱」、利用料の「請求単位」となる契約です。
AWSアカウントの作成自体は、手順さえ理解すれば誰でも簡単に無料で行えます。しかし、安全かつ効率的にAWSを運用していくために、アカウント作成後の初期設定や注意点を正しく押さえておくことが重要です。

特にセキュリティ設定を怠ると、不正アクセスによる情報 漏えいや、意図しない高額請求といった深刻な事態を招きかねません。
本記事では、2026年5月時点で確認できる最新の公式情報に基づき、AWSアカウントの作成手順を解説します。併せて、アカウント作成後に必ず実施すべき必須のセキュリティ設定や、運用で失敗しないための注意点まで網羅的にご紹介します。
AWSアカウント作成の全手順|簡単7ステップ**

この章では、AWSアカウントを作成するための具体的なステップを一つずつ解説します。画面の指示に従って進めるだけで、誰でも簡単にAWSアカウントを作成することが可能です。
事前準備:AWSアカウント作成に必要な3つのもの
AWSアカウントを作成する前に、次の3つのものを準備しておくと手続きがスムーズに進みます。
- メールアドレス
- クレジットカードまたはデビットカード
- 電話番号
メールアドレスは通知や認証に、カード情報は支払いと本人確認に、電話番号は多要素認証などの本人確認にそれぞれ使用します。
手順1:メールアドレスとAWSアカウント名の設定
はじめにAWSの公式サイトにあるサインアップページにアクセスし、アカウントの基本情報を設定します。右上の「アカウントの作成」ボタンをクリックしましょう。
画面の指示に従い、ログインや各種通知の受け取りに利用する「ルートユーザーのEメールアドレス」と、管理コンソールなどで表示される「AWSアカウント名」を入力してください。AWSアカウント名は、あとからでも変更が可能です。
手順2:メールアドレスの認証とパスワードの設定
次に、手順1で入力したメールアドレスが正しいものであるかを確認するための認証作業を行います。入力したアドレス宛てにAWSから6桁の認証コードが記載されたメールが届いたら、そのコードを画面に入力して認証を完了させましょう。
その後、AWSアカウントにサインインするための強力なパスワードを設定してください。
手順3:アカウントプランの選択
アカウント作成時には、「無料プラン」と「有料プラン」のいずれかの選択が必須です。
現在AWSでは、サインアップから最長6カ月間、最大$200USD分のクレジットが付与される新しい無料プランが提供されています。クレジットは、サインアップ時に$100USDが付与され、基本的なAWSサービスの利用によって最大$100USDが追加されます。
学習や小規模な検証が目的の場合はこの枠内での利用を想定するとよいでしょう。無料プランはクレジットまたは期間が終了するとアカウントが自動で閉鎖されるため、継続利用したい場合には注意が必要です。
有料プランは、従来どおりの従量課金制で、無料プランと同様に最大$200USD分のクレジットが付与されます。本番利用など継続的な開発を行う場合は、こちらのプランがおすすめです。
手順4:連絡先情報の入力
続いて、アカウント所有者の連絡先情報を入力します。法人で利用する場合は「ビジネス」を選択し、氏名、会社名、電話番号、住所といった情報を入力フォームの指示に従って登録してください。
住所などの情報は、基本的には英数字で入力することが推奨されていますが、国や言語設定によって異なるため、画面の表示に合わせて対応しましょう。その後、利用規約に同意して次に進みます。
手順5:請求情報(クレジットカード)の登録
AWSでは、無料利用枠のみを使用する予定でも、クレジットカードまたはデビットカード情報の登録が必須です。無料利用枠を超過してサービスを利用した際の請求先としてだけでなく、本人確認の手段としても用いられています。
カード番号、有効期限、カード名義人などの情報を正確に入力してください。
手順6:電話番号による本人確認
アカウントのセキュリティを確保するため、電話番号による本人確認が行われます。テキストメッセージ(SMS)または音声通話のいずれかを選択し、指定した電話番号で認証コードを受け取りましょう。
受け取ったコードを画面に入力すると、本人確認が完了します。
手順7:サポートプランの選択
最後に、AWSのサポートプランを選択してください。プランには無料の「ベーシックサポート」のほか、技術サポートが受けられる「デベロッパーサポート」や「ビジネスサポート」などの有料プランがあります。
特別な要件がなければ、まずは追加料金のかからない「ベーシックサポート」を選択しましょう。なお、サポートプランはあとからいつでも変更可能です。
AWSアカウント作成後にやるべき必須セキュリティ初期設定3選
AWSアカウントの作成が完了したら、次にセキュリティを強化するための初期設定を行いましょう。ここでは、アカウントを安全に運用するために、作成後すぐに実施すべき必須のセキュリティ設定を3つ厳選して解説します。

なぜIAMユーザーが必要?ルートユーザーを日常的に使うことのリスク
AWSでは、日常的な作業にはルートユーザーの使用は避け、権限を限定した「IAMユーザー」を作成して利用することを強く推奨しています。
なぜなら、ルートユーザーはすべての操作が可能な最高権限を持つため、万が一認証情報が漏えいした場合の被害が甚大になるからです。また、ルートユーザー・管理者IAMユーザーともに、多要素認証(MFA)を設定することが推奨されています。
日常業務は必要な権限のみを持つIAMユーザーで行い、ルートユーザーはアカウント管理など特定の作業でのみ使用するようにしましょう。
初期設定1:管理者権限を持つIAMユーザーを作成する
それでは、ここからは具体的なセキュリティ設定をご紹介します。
まず、AWS運用の鉄則である「最小権限の原則」を覚えておきましょう。これは作成するIAMユーザーには不必要に強力な権限を与えず、役割に応じた最小限のアクセス権だけを設定するという考え方です。
この原則を踏まえたうえで、はじめに管理者権限(AdministratorAccess)を持つIAMユーザーを作成しましょう。このアカウントを使用することで、日々のほとんどの管理作業をルートユーザーの代わりに安全に行うことが可能になります。
一方で、請求情報の変更やアカウントの解約といった一部の重要な操作はルートユーザーでしか実行できません。ルートユーザーとIAMユーザーを切り替えて作業すれば、権限が適切に分離されセキュリティが向上します。
初期設定2:不正アクセスを防ぐ多要素認証(MFA)を設定する
多要素認証(MFA)は、IDとパスワードに加えて、スマートフォンアプリなどで生成される一時的な確認コードを要求する認証方式です。MFAを設定すれば、万が一パスワードが漏えいしても第三者による不正ログインを防ぐことができます。
AWSでは、最も強力な権限を持つルートユーザーと、管理者権限のIAMユーザーの両方にMFAを設定することがベストプラクティスです。
初期設定3:意図しない高額請求を防ぐ請求アラートを設定する
AWSは従量課金制であり、サービスを意図せず使いすぎると思わぬ高額請求につながるリスクがあります。
このリスクを回避するためには、まずAWS Budgetsでコスト予算を設定し、使用量がしきい値に近づいた際に通知を受け取る請求アラートを活用することが重要です。
加えて、無料利用枠の超過をいち早く検知できるよう、AWSが提供する「Free Tier 使用状況アラート」を有効化しておくとよいでしょう。
また、AWS Cost Anomaly Detectionを設定すれば、機械学習によって通常とは異なる突発的なコスト増を自動検知できるため、併用をおすすめします。
AWSアカウント作成で失敗しないための3つの注意点**

AWSアカウントの作成は簡単ですが、設定や運用方法を誤ると、予期せぬ課金やセキュリティリスクにつながる可能性があります。ここでは、アカウントを安全かつ効率的に運用するために、特に重要となる3つの注意点について見ていきましょう。
注意点1:使い方に応じて「無料プラン」と「有料プラン」を選択する
2025年7月に、AWSアカウント作成時に「無料プラン」と「有料プラン」を選択する新しい仕組みが導入されました。無料プランはクレジットを使い切るか期間が終了するとアカウントが自動閉鎖されるため、学習や短期的な検証に適しています。
一方、有料プランは従来どおりの従量課金制で、本格的な開発や本番環境での利用を想定している場合に選択するとよいでしょう。プランの違いを理解し、使い分けることが重要です。
新しい無料プランについては、こちらの記事でも詳しく解説しているため、併せてご覧ください。
注意点2:「無料」の範囲を正しく理解し、意図しない課金を防ぐ
AWSの無料利用枠には、期間の定めなく常に一定量まで無料のサービスや、トライアルとして数日限定で無料となるサービスなど、複数の種類が存在します。
これらの無料利用枠で定められた上限を超過した分は、自動的に通常の従量課金制へと移行するため注意が必要です。AWS Budgetsなどを活用し、使用状況を常に把握することが意図しない課金を防ぐ鍵となります。
注意点3:単一アカウント運用を避け、マルチアカウント管理を実現する
法人でAWSを利用する場合、全部署が単一のアカウントを共有すると、セキュリティやコスト管理の面で大きなリスクをともないます。
AWS Organizationsを利用し、部署やプロジェクト、本番環境と開発環境などでアカウントを分割する「マルチアカウント管理」を導入することで、リスクを軽減できるでしょう。
マルチアカウント管理により、請求の分離によるコストの明確化や、アカウント単位での厳格な権限分離によるセキュリティ強化が実現可能です。
AWSアカウントの手動クローズとポストクローズ期間について
AWSの利用を完全に終了する場合、AWSマネジメントコンソールのアカウントページから手動でアカウントを閉鎖する手続きが必要です。
手続きの際は、画面に表示されるすべての注意事項を慎重に確認し、すべての項目に同意のチェックを入れたうえで「アカウントを閉鎖」ボタンをクリックします。
アカウント閉鎖後も、90日間の「ポストクローズ期間」という猶予期間が設けられており、この期間内であればアカウントの再開が可能です。ただし、90日を過ぎるとアカウントは完全に削除され、復旧できなくなるため注意しましょう。
より詳細な情報や、組織に属するメンバーアカウントの解約手順については、AWSの公式ドキュメントをご確認ください。
面倒なAWSアカウント作成からお任せできる「AWSマネージドパック」
AWSアカウントの作成やその後のセキュリティ設定、支払い設定などは、慣れていないと手間がかかり、ミスも起こりやすい作業です。
「アカウント作成の手順からすべてプロに任せて、すぐに安全な環境を使いたい」
「日々の運用や監視を自社で行うのは不安だ」
このようにお考えのご担当者様には、AWSの導入から運用までを丸ごと任せられるマネージドサービスの利用がおすすめです。
AWSパートナーであるCloudCREW byGMOでは、AWSの専門家が構築から監視、運用保守までを代行するフルマネージドサービスの「AWSマネージドパック」を提供しています。
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AWS環境のアカウント作成から構築・運用・保守まで、お悩みの場合はぜひ一度ご相談ください。
まとめ
AWSアカウントの作成自体は簡単ですが、安全に利用するためにはIAMユーザーの作成や多要素認証(MFA)の設定が欠かせません。また、意図しない高額請求を防ぐための請求アラート設定や、無料利用枠の正しい理解も重要となります。
法人利用では、セキュリティとコスト管理の観点からマルチアカウントでの運用を検討しましょう。本記事で解説したポイントを押さえ、安全で効率的なAWS活用をスタートしてみてはいかがでしょうか。
当記事の監修
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が運営するCloudCREW byGMOでご紹介する記事は、AWSなど主要クラウドの認定資格を有するエンジニアによって監修されています。

