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AWSノウハウ

AWSとは?初心者向けに概要からメリット、
利用上の注意点などわかりやすく解説

  • AWS入門

目次

クラウドを利用する企業は年々増加傾向にあり、2021年には約7割の企業がクラウドサービスを利用しているという調査結果が出ています。そんななか、企業システムを支える基盤としてAWSが利用されているケースが増えてきました。一方でAWSという言葉は知っていても、その内容や利用のメリットなどがわからないという企業担当者の方もまだまだ多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、AWSの初心者向けにその概要から利用するメリット、注意点などを解説しながら、いくつかの事例を紹介します。

AWSとは

AWSとは「Amazon Web Services」の略称であり、Amazonが提供するクラウドサービスです。ここでは、AWSの成り立ちや扱ううえで必要な最低限の知識について解説します。

AWSの成り立ち

いまや、AWSは世界のクラウド市場においてシェア率が約3割でトップシェアです。AWSは単体のサービスを提供しているのではなく、さまざまなサービスを提供しています。企業のITインフラや開発環境、コンテンツ配信基盤、AI機能などあらゆるサービスが利用可能です。

もともとは、多大な支出を抑えるために、高価なSun Microsystems社(現Oracle社)製のサーバーを、安価なHP社製のLinuxサーバーに切り替えたことがAWSの始まりといわれています。当時のサーバースペックや信頼性を考えると、非常に挑戦的な試みでした。しかし、AWSはその挑戦的な試みを続け、今日ではさまざまなサービスを提供するに至っています。

物理サーバー・パブリッククラウド・プライベートクラウドの違い

一般的に情報システムはネットワークで接続した物理サーバー上でアプリケーションを動作させます。一方、クラウドサービスはそのシステム基盤をサービスとしてインターネット経由で提供するものです。IaaS(Infrastructure as a Service)とも呼ばれています。

また、クラウドサービスのなかでも、大きくパブリッククラウドとプライベートクラウドに分けられます。

物理サーバー クラウドサービス
パブリッククラウド プライベートクラウド
物理的にサーバーを用意し、ネットワークに接続して利用する インターネット経由で利用。クラウド環境は他のユーザーと共有する インターネット経由で利用。自社専用のクラウド環境として利用する

物理サーバーを利用する場合には自社専用の環境を自由に構築できますが、初期費用がかかるうえ専門的な知識も求められます。一方で、パブリッククラウドであれば初期費用を抑えて迅速に環境を構築することが可能ですが、カスタマイズ性は若干ですが低下します。プライベートクラウドは物理サーバーのカスタマイズ性と、パブリッククラウドの迅速性を兼ね備えた選択肢といえるでしょう。

例えば、AWSはパブリッククラウドですが、Amazon VPC(Virtual Private Cloud)を利用して、仮想プライベートクラウドを構築することも可能です。

リージョンとアベイラビリティゾーン

AWSの特徴として高可用性や耐久性、低遅延などが挙げられます。これらを実現するために、AWSは世界各地にデータセンターを用意しています。リージョンとは物理的に離れたそれぞれのデータセンター拠点のことを表し、アベイラビリティゾーンとは各リージョン内に設けられている複数の独立したエリアを指します。

実際のリージョンは東京・ソウル・オレゴン・ロンドンなど世界各地に拠点があり、国や地域、都市によってリージョン名を区別しています。世界中にリージョンが設けられていることで低遅延・高可用性・耐久性が実現し、各リージョン内のアベイラビリティゾーンによって可用性・冗長性が高められているのです。

リージョン・アベイラビリティゾーンについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

AWSでできること

AWSによって、さまざまなITリソースやサービスをクラウド上で利用できます。提供されているサービス数は約250(2024年1月時点)と非常に多く、各種サービスの組み合わせによりあらゆることが実現できます。一例として、次のようなことが実現可能です。

AWSで実現できることの例

  • 仮想サーバーを利用した社内システムのクラウド化
  • データストレージのクラウド化
  • アプリケーションの開発、デプロイのクラウド化
  • AIの開発、実装
など

主要なサービスについては後ほど解説しますが、仮想サーバーを構築してシステムをクラウド化することは多くの企業が進めています。さまざまな環境のクラウド化だけでなく、AI機能もサービスとして提供されているため、自社の問い合わせ対応やECサイトなどにおけるレコメンデーション機能の実装などにも利用可能です。

AWSの料金体系

AWSのサービスはほとんどが従量課金制で、サービスを利用した分だけ費用を請求される仕組みです。AWSが従量課金制をとる理由としては、変化するビジネスニーズに柔軟に対応しやすくするためです。システムを運用するなかで、多くのリソースが必要になる月とそうでない月も存在するでしょう。また、突然大量のリソースが必要になる場合もあります。従量課金制であれば、過不足のないコストでリソースの変化に対応可能です。

また、AWSでは使用量が増えるほど割安になる「ボリュームディスカウント」という仕組みもあります。使用量が増えるほど単位当たりの料金が安くなるため、ビジネス規模が大きくなるほど単位当たりのコストを抑えられます。

AWSには無料枠も用意されている

AWSのサービスには、以下3種類の無料枠が用意されています。

  • 無料トライアル
  • 12ヵ月間無料
  • 常に無料

例えば、仮想サーバーを構築可能なAmazon EC2は、最初の12ヵ月間は750時間/月まで無料で利用可能です。あらゆるサービスで無料枠が用意されているため、利用する前に一度確認してみましょう。

無料枠については「AWS無料利用枠」をご覧ください

AWSの主要サービス

前述のとおり、AWSは約250ものサービスを提供しています。ここでは、そのなかでも利用頻度が高い主要なサービスについて、企業担当者やエンジニアの方向けに簡単に解説します。

Amazon EC2

Amazon EC2はクラウド上で利用可能な仮想サーバーです。AWSのサービスのなかでも特に代表的なサービスの一つといえるでしょう。Amazon EC2を用いることで、Webサーバーやファイルサーバーなど、あらゆる用途のサーバーを構築できます。

※Amazon EC2の管理画面の例

Amazon EC2で構築する仮想サーバーは、CPUやメモリなどのスペックを用途に合わせて変更可能です。例えば、実際に運用するなかでメモリが足りないと感じればあとから増やすことができ、反対に過剰であると判断した場合は減らすことができます。

一般的にクラウド以外のサーバーは、構築したあとでスペックを自由に変更するのは難しいため、用途やアクセス予想などから綿密に計画・設計したうえで構築を進めます。しかし、Amazon EC2であれば運用中にスペックの変更が可能なため、スピード感を持ったサーバーの構築・運用が実現可能です。

Amazon EC2については「Amazon EC2の効率的な運用方法とは?わかりやすく解説」でも詳しく解説しております。併せてご覧ください。

Amazon S3

Amazon S3(Simple Storage Service)は、クラウド上で利用可能なストレージサービスで、データの保管先やバックアップ先として利用できます。Amazon EC2と組み合わせて利用されることも多く、その場合にはAmazon EBS(Elastic Block Store)との違いについても理解しておくことが重要です。

※Amazon S3の管理画面の例

Amazon EBSはAmazon EC2と併せて利用するものであり、仮想サーバーのデータを保管するためのストレージです。Amazon EC2単体で利用する場合、仮想サーバーを停止するとデータが消えてしまいます。しかし、データをAmazon EBSに保存しておけば仮想サーバーを停止してもデータが残ります。

Amazon EC2のデータ保管先として、Amazon S3を利用することも一般的です。Amazon EBSもAmazon S3もストレージサービスですが、Amazon EBSは「ブロックストレージ」、Amazon S3は「オブジェクトストレージ」という違いがあります。ブロックストレージはデータを固定された長さの単位(ブロック)に分割して管理するもので、オブジェクトストレージはデータをオブジェクトとしてそのまま管理する形式です。

ブロックストレージは処理の高速化が可能、オブジェクトストレージは耐久性が高く大量のデータを保存しやすいことが利点です。そのため、Amazon EC2を利用する場合、頻繁にアクセスするデータ(例えばキャッシュファイルなど)はAmazon EBSに保存し、大量かつ長期間保存するようなデータ(例えばバックアップなど)はAmazon S3に保存する、というような使い方ができます。

Amazon RDS

Amazon RDS(Relational Database Service)は、クラウド上で利用可能なデータベースです。名前のとおり、クラウド経由でリレーショナルデータベースを利用可能で、次の6つのデータベースエンジンから選択できます。

Amazon RDSで利用可能なデータベースエンジン

  • MariaDB
  • MySQL
  • PostgreSQL
  • Microsoft SQL Server
  • OracleDB
  • Amazon Aurora

MariaDB・MySQL・PostgreSQLはオープンソースのデータベースで、Microsoft SQL Server・OracleDBは商用のデータベースです。Amazon RDSは、これらのデータベースをクラウド経由で利用可能です。

※Amazon RDSの管理画面の例

Amazon AuroraはAmazonが独自開発したデータベースで、MySQLやPostgreSQLと互換性のあるリレーショナルデータベースです。コストは商用データベースの10分の1、スループットはMySQLの5倍、PostgreSQLの3倍と謳われており、Amazon RDSを利用する際の有力な選択肢の一つになるでしょう。

Amazon Route53

Amazon Route53の管理画面の例

Amazon Route53は、クラウド上で利用可能なDNS(Domain Name System)です。Amazon Route53では、おもに次の3つの機能が利用できます。

Amazon Route53の主な機能

  • ドメイン登録機能
  • DNSルーティング機能
  • DNSヘルスチェック機能

一般的にWebサイトを利用する際には「xxxx.co.jp」のようなドメイン名を取得して利用しますが、このドメイン名の登録とルーティング機能を提供するサーバーをクラウド上で利用することが可能です。また、ドメイン名を通じてWebサーバーなどの状態を監視でき、後に紹介するAmazon CloudWatchと組み合わせることで、異常時にはメールなどによる通知が実現できます。

Elastic Load Balancing

Elastic Load Balancing(ELB)は、クラウド上で利用可能なロードバランサー(負荷分散装置)です。ロードバランサーとは、登録したサーバーにトラフィックを振り分ける装置を指します。Webサーバーに対するアクセスの分散や、ヘルスチェック機能による可用性向上策として利用できるものです。

Elastic Load Balancingの管理画面の例

また、大量のトラフィックを複数のWebサーバーに均等に振り分けたり、重み付けをして振り分けるWebサーバーを定めたりすることも可能です。ヘルスチェック機能を用いれば、サービスを止めることなく、正常に動作していないサーバーへの振り分けを停止できます。

ELBの種類はおもに次の3種類であり、用途に合わせて選択することが可能です。

ELBの種類

  • ALB(Application Load Balancer)
HTTP/HTTPSの振り分けに最適
  • NLB(Network Load Balancer)
ALBほど細かい振り分けはできないが、低遅延で高スループットを実現可能
  • CLB(Classic Load Balancer)
古いタイプのロードバランサー。ALB/NLBで対応できない場合に利用される

AWS Lambda

AWS Lambda(ラムダ)はサーバーを構築することなく、クラウドを通じて事前に定義したプログラムコードを実行できるサービスです。

AWS Lambdaの管理画面の例

一般的に公開するプログラムを実行するためにはサーバーの構築が欠かせません。その場合OSやミドルウェアなどのセットアップが必要となりますが、AWS Lambdaであればこれらを用意する必要がなく、プログラムのコードさえ用意しておけば実行できます。

AWS Lambdaを利用するメリットは、サーバー構築などにかかるリソースを排除して開発を高速化し運用コストを低減できる点です。近年、このようにサーバーを必要としない開発手法として「サーバーレス」が注目されており、サーバーレスのクラウド利用形態としてFaaS(Function as a Service)と呼ばれています。

AWS Lambdaはサーバーレスでイベント駆動型のコンピューティングサービスとして、アプリケーションやバックエンドサービスのコードが実行可能です。

Amazon CloudWatch

Amazon CloudWatchは、AWS上で利用するサービスを監視するためのサービスです。AWSを利用するユーザーは、サーバーの物理的な運用・保守をAWS側に任せます。例えば、サーバーのCPUやメモリ、ストレージなどが物理障害を起こした際は、ユーザー側で対応する必要はありません。

Amazon CloudWatchの管理画面の例

しかし、AWSのサービスを利用して構築したシステムなどで障害が発生した場合、それらの対応はユーザー側で行なう必要があります。アプリケーションが正常に動作していない、Webサイトへのアクセスができないなどの問題に対してはユーザー側の対応が必須です。

Amazon CloudWatchは監視内容を事前に定義し、特定条件下でのアラーム通知、自動応答などができます。例えば、EC2のステータスを監視する、OSのシステムログやアプリケーションログのエラー出力を監視する、といったことが可能です。エラーなどの異常を検知した際には、メールなどで通知することもできます。

Amazon CloudWatchについては、「AWS監視入門 監視ツール Amazon CloudWatchとは?<2021年版>」でより詳しく解説しています。併せてご覧ください。

AWSのセキュリティ

ここでは、AWSを利用するうえで理解すべきセキュリティ機能について、簡単に解説します。クラウドセキュリティについて理解するうえで重要な考え方に、AWSが採用している「責任共有モデル」があります。

責任共有モデルとは、AWSとユーザーの間でセキュリティ・コンプライアンスに関する責任を分担する、という考え方です。AWSは「クラウドインフラストラクチャーのセキュリティに対する責任」を負い、ユーザーは「クラウド内にあるデータのセキュリティに対する責任」を負います。

ユーザーはAWS IAM(Identity and Access Management)と呼ばれる、アクセス可能なユーザーやグループを管理するツールを利用したり、データの暗号化やセキュリティグループの設定などを行なったりすることで、クラウドセキュリティを実現します。大まかにいうと、AWSが物理的なセキュリティを担保し、ユーザーが論理的なセキュリティを担保する、と捉えるとよいでしょう。

AWSにおける責任共有モデルについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
「AWSの責任共有モデルとは?わかりやすく解説」

AWSを利用するメリット

企業での利用が増えているAWSですが、どのようなメリットが具体的に挙げられるのでしょうか。ここでは、企業担当者やエンジニアの観点からAWSを利用する3つのメリットを紹介します。

初期費用がかからない

1つ目のメリットは初期費用がかからない点です。オンプレミスでサーバーなどを構築する場合と異なり、ハードウェアを用意する必要がないため初期費用がかかりません。サーバーを1台用意するだけでも数十万円は必要になりますが、AWSのAmazon EC2であれば初期費用不要ですぐにサーバーを利用できます。

AWSの料金体系は従量課金制であり、導入時の初期費用はかかりません。必要なサービスを必要な分だけ利用できるため、うまく使えばランニングコストの削減も期待できるでしょう。

システムの柔軟性・俊敏性が高い

前述したとおり、オンプレミスでサーバーを用意する際には時間もコストもかかるため、事前にしっかりと設計しておかなければなりません。一方、AWSはクラウドサービスとして、必要なときに即座にサーバーやストレージを用意できます。また、ユーザーの利用状況に応じてサーバー台数やCPU/メモリなどといったリソースの増減も容易に行なえます。

オンプレミスと比較した場合、このように俊敏性・柔軟性が高い点はAWSの大きなメリットの一つです。多様化するビジネスニーズに対応するためには、システムの俊敏性や柔軟性の高さは欠かせません。

システムの開発スピードを速めつつ、顧客ニーズを即座に取り入れてコストの削減を図るためには、AWSのようなクラウドサービスの利用が効果的です。

運用・保守の効率化

サーバーやネットワーク、これらの基盤の上で稼動するシステムは一度構築したらそれで終わりということはありません。特にサーバーやネットワークを構成する機器などは、24時間365日稼動することが多く、物理的な障害が起こることもあるでしょう。それらに備えた運用・保守は手間もコストも無視できないものです。

AWSは責任共有モデルを採用しており、機器の障害対応やOSアップデートなどはAWS側で行なわれます。AWSの利用者はシステムの運用・保守にのみ注力できるため、効率的な運用・保守が実現可能です。

また、AWSでは技術的な相談のための「AWSサポート」を提供しており、AWS上のサービスに対するサポートを受けることが可能です。ただし、構築したシステムに対するサポートではない点に注意してください。システムの運用・監視を委託したい場合には「運用代行サービス」を利用するとよいでしょう。

高信頼のAWS監視・運用代行サービスについては「マネージドクラウド」をご確認ください。

AWSを利用する際に注意すべきこと、デメリット

さまざまなメリットがある反面、利用する際には事前に理解すべきデメリットなども存在します。特に企業のシステムをAWS上に構築する場合には、次の点に注意が必要です。

ランニングコストが変動する

AWSは初期費用がかかりませんが、従量課金制であるためランニングコストが変動します。特に新しいサービスの利用を開始した、サービスのリソースを変更した、などの場合には、コストが大きく変動する可能性があるため注意が必要です。

また、設定ミスにより思いがけず請求が高額となるケースも存在します。実際にAWSの設定を誤り、2日間で約300万円の支払いが確定したケースも報告されています。AWSの利用料は変動費としてあらかじめ予算を定めておき、利用状況を監視することが重要です。

Amazon CloudWatchを利用すれば、AWSの請求額も監視できます。また、サービスの見積もり金額を算出するためのAWS Pricing Calculatorも用意されているため、これらを上手に利用してランニングコストの変動に備えましょう。
「AWS Pricing Calculatorコンソールを使用する」

運用・保守のカスタマイズ性

AWSは手軽に環境の構築が可能で、運用・保守の効率化が期待できる点はメリットです。一方で、オンプレミスに比べると細かい運用・保守は難しい点は把握しておくべきでしょう。

AWSを利用する場合、物理的な部分の運用・保守はAWS側が行ないます。オンプレミスの場合はこれらの運用・保守も細かく定められますが、AWSを利用する際にはすべてを任せることになるため、オンプレミスと比べるとカスタマイズ性は多少低いといえるでしょう。

AWSで定められた範囲内の自由はありますが、その範囲内でしか対応できません。実際にAWSを利用する前に、ハードウェア面での調整範囲を確認しておき、運用上の問題がないかのチェックが重要です。

不定期メンテナンスへの対応

AWSでは、機能の強化や脆弱性対応などを目的として、不定期にアップデートが行なわれます。このアップデートは事前に通知されますが、EC2インスタンスの再起動やサービスの停止が必要となる場合があります。

多くの場合、自社のシステムやサービスを提供するための再起動や停止は、安易には行なえません。したがって、不定期のアップデート通知を管理し、システムやサービスの提供に影響が出ないように対応する必要があります。

このような不定期のメンテナンスに対しては、事前に対応を決めておくことが重要です。例えば、通知を常時監視してサービス提供の時間外に手動で対応する、あるいはサーバーなどを冗長化してサービスの利用に影響が出ないようにする、といった対応を決めておきます。

サービスの組み合わせに対する理解が必要

AWSには多くのサービスが存在し、これらのサービスをうまく組み合わせて活用することが前提です。しかし、自社のシステムやサービスを提供するために必要なAWSサービスを把握し、適切に組み合わせるためには専門の知識が必要となります。

AWSサービスを組み合わせる際には、システムに対する専門知識だけではなく、AWSに関する専門知識が求められます。また、運用・保守においても不定期メンテナンスへの対応など、AWSに特化した人材の確保も課題となりやすい点です。「AWSに特化した人材が不足している」「知識・技術面でAWSサービスの組み合わせに不安がある」という場合には、アウトソーシングすることも一つの手です。

CloudCREWは可用性および耐障害性重視のAWSパッケージを定額で利用できる「AWSマネージドパック」を提供しています。AWS環境の設計・構築・監視・運用から技術サポートまで、24時間365日対応のフルマネージドサービスを提供します。AWS認定資格取得者によるプレミアムサポートや技術支援メニューを用意し、AWSクラウド環境の最適化に役立てられるサービスです。

より詳しくは、こちらも併せてご覧ください。

AWSの導入事例

AWSの導入事例として、弊社が提供するサービスの導入事例を簡単に紹介します。

GMOペパボ株式会社

GMOペパボ株式会社

業種情報通信業/インターネット附随サービス業

本社所在地〒150-8512 東京都渋谷区桜丘町26番1号 セルリアンタワー

公式サイトhttps://shop-pro.jp/

サービス名カラーミーショップ byGMOペパボ

ソリューションホスティング事業/EC支援事業/ハンドメイド事業/金融支援事業

GMOペパボ株式会社

国内有数のECプラットフォームで利用するデータベースを、AWS環境へ移設するための技術サポートを行ないました。GMOペパボ株式会社様にはエンジニアがいたものの、当時はリソースに限りがあったため外部への協力要請を検討していたとのことです。

実際の移行に際し、パフォーマンスの問題や移設段階における原因不明のAWS特有とされる課題も発生しましたが、弊社のサポートにより無事にデータベースを移行することができました。本事例で導入したAWSプロダクトは次の4つであり、ご利用いただいた弊社のサービスは「AWS移行・導入支援」と「事前検証(PoC)支援」です。

  • Amazon EC2
  • Amazon RDS
  • Amazon CloudWatch
  • AWS Direct Connect

可用性を高めるとともに導入と運用のコストを大幅に削減し、外部サービスを活用することで事業を差別化し社内リソースを集中できるようになったというご意見を頂いています。

「AWS 導入事例『GMOペパボ株式会社』」

ジャスネットコミュニケーションズ株式会社

業種
職業紹介業/広告業/学習支援業/専門サービス業
本社所在地
〒105-0004 【東京本社】東京都港区新橋四丁目1番1号 新虎通りCORE
公式サイト
https://www.jusnet.co.jp/
ソリューション
  • 経理・会計分野におけるエージェントサービス
  • 経理・会計分野における求人広告サービス
  • 経理・会計分野におけるアウトソーシングサービス
  • 経理・会計分野における教育、情報サービス
  • 事業承継・M&A支援サービス
  • 会計事務所紹介サービス
  • 高度会計支援サービス

ジャスネットコミュニケーションズ株式会社 公式サイト

オンプレミス環境からAWS環境に移設した自社のWebサービスを、監視・運用するための外部委託先としてご利用いただいた事例です。AWS環境への移行は自社で完結できたものの、次の点が課題でした。

  • クラウドインフラ運用に必要なノウハウが足りない
  • セキュリティ対策に関する懸念

このような課題に対して、24時間365日の運用体制の提供、ロードバランサー・WAFなどのセキュリティ対策、コスト削減についての提案を行ないました。コストに関してはランニングコストを3割ほど低減できたとのことです。

本事例におけるAWSプロダクトは6つであり、ご利用いただいたサービスは3つで、それぞれ次に示します。

AWSプロダクト

  • Amazon EC2
  • Application Load Balancer
  • AWS WAF
  • Amazon Guard Duty
  • AWS Security hub
  • Amazon CloudWatch

弊社サービス

  • マネージクラウド for AWS
  • AWS請求代行
  • プレミアムサポート

弊社のサポートはインフラメンバーが社内にいるかのような感覚で仕事でき、AWSの専門家がいなくて困っている組織には大きな助けになる、と評価していただいています。

「AWS導入事例『ジャスネットコミュニケーションズ株式会社』」

AWSに関するよくある質問と回答

最後に、ここまでに解説してきた内容についてよくある質問と回答として、Q&A形式でまとめました。

AWSとは何ですか?

AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドサービスです。仮想サーバーを提供するAmazon EC2やストレージを提供するAmazon S3など、クラウド上でさまざまなITリソースやサービスを利用できます。

AWSはパブリッククラウドですが、Amazon VPC(Virtual Private Cloud)を利用することで、仮想プライベートクラウドを構築することも可能です。

AWSの料金体系はどのようになっていますか?

AWSの利用には初期費用がかかりません。ほとんどのサービスが従量課金制で、利用した分だけ費用請求される仕組みです。必要な分だけ利用できるため、システムリソースの余剰や不足によるビジネスリスクを回避できます。

使用量が増えるほど単位当たりの料金が安くなるボリュームディスカウントや無料枠も用意されており、計画的に利用することでランニングコストの最適化が可能です。また、各サービスを利用する場合の見積もりを計算するツールも用意されているため、事前にコストを確認することもできます。

「AWS Pricing Calculator」

AWSのおもな利点は何ですか?

AWSを企業が利用するおもなメリットは次の3点です。

  • 初期費用がかからない
  • システムの柔軟性、俊敏性が高い
  • 運用、保守の効率化

これらのメリットから、ITインフラをオンプレミス環境からAWS環境へ移行する企業が増えています。ただし、ランニングコストの変動やサービスの組み合わせに対して理解が必要になるなど、注意点やデメリットも存在するため、これらのメリットとデメリットをしっかりと見極めることが重要です。

AWSのセキュリティ対策はどのようになっていますか?

AWSでは責任共有モデルを採用しており、AWSにおけるクラウドセキュリティを理解するうえでこのモデルを理解することは重要です。AWSは「クラウドのセキュリティに対する責任」を負い、ユーザーは「クラウド内のセキュリティに対する責任」を負います。

ユーザーはAWS IAM(Identity and Access Management)と呼ばれる、アクセス可能なユーザーやグループの管理ツールを利用可能です。これによりデータの暗号化、セキュリティグループの設定などを行ない、クラウドセキュリティを実現します。

AWSの地域とアベイラビリティゾーンの違いは何ですか?

地域(リージョン)は物理的に離れたそれぞれのデータセンター、アベイラビリティゾーンは各リージョン内で独立した複数の場所のことを表します。リージョンは世界各地のデータセンターで、東京・ソウル・ロンドンなどに存在します。

リージョンとアベイラビリティゾーンは、AWSにおける低遅延の実現や可用性・冗長性を高めるための仕組みです。AWSの特徴である高可用性や耐久性、低遅延は、リージョンとアベイラビリティゾーンの仕組みによって成り立っているといえるでしょう。

まとめ

AWS(Amazon Web Service)は世界のクラウド市場におけるトップシェアであり、そのシェア率は約3割です。日本でも多くの企業がAWSを利用しており、今もAWS環境への移行などを検討している企業は多いでしょう。AWSの活用にはさまざまなメリットが存在しますが、利用する際には理解しておくべき注意点やデメリットも存在します。

自社にとって最適な環境を構築するためには、非常に多くのAWSサービスを適切に選択し組み合わせて運用することが求められます。しかし、AWSに詳しい技術者が自社内にはいない、という企業も少なくありません。そのため、AWSの導入サポートや運用・保守を外注することも一般的となってきました。

弊社では、AWSに関して直接ご相談いただける予約制のAWS導入相談会(無料)を毎週開催しています。AWSの導入やその後の運用・保守にお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
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CloudCREW
当記事の監修

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が運営するCloudCREW byGMOでご紹介する記事は、AWSなど主要クラウドの認定資格を有するエンジニアによって監修されています。

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