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AWS監視入門
監視ツール Mackerel(マカレル)とは?<2021年版>
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目次
24時間365日のAWS監視において重要な役割を果たすサーバー監視サービスですが、Amazon CloudWatch、Zabbixに並んでMackerel(マカレル)が人気です。当記事では、SaaS型サーバー監視サービス「Mackerel」の基本的な概要を解説いたします。
「Mackerel」とは?
Mackerelは、クラウド時代に最適な監視モデルと誰でも簡単に使えるUIによって、システムの運用・監視にチームで取り組む文化を育むSaaS型サーバー監視サービスです。「クラウド運用の道標」としてビジネスの成長を支援する監視・運用を提供します。また、日本製のサーバー監視サービスでもあります。自社のサービス運用基盤をMackerelで運用し、そのノウハウを詰め込むことで、クラウド監視に必要な機能を提供し続けています。登録ユーザー数876万人です。月間ユニークブラウザー数1.96億人となっています。
Mackerel 公式サイト
https://ja.mackerel.io/
「Mackerel」の費用
Mackerelは、2週間の無料で試すことができます。まず無料トライアルで試してみて、自社に取り入れられそうであれば、有料版にシフトすることもできます。無料版では、ホスト数が5台まで使うことができます。また、有料版相当の機能を試せます。
有料版のスタンダードプランは、顧客のニーズに合わせた料金体系となっています(2021年11月時点)
Mackerel スタンダードプラン
スタンダードホスト:月1,833円(税込)
マイクロホスト:月660円(税込)
※ ホスト数1台から利用可
「Mackerel」はどのように生まれたのか
Mackerelを開発する株式会社はてなは、はてなブログが有名です。多くのWebサービスを開発・運営しています。数千台にも上るサーバーシステム管理を効率化するための社内ツールとして、Mackerelは生まれました。社内ツールから始まって、それが社外でもツールとしてリリースされています。
「Mackerel」でできること
Mackerelでは、主に以下のことができます。
①監視
リソース状況を監視し、異常があればすぐに気づくことができます。
異常発生時にはアラートが記録され、SlackやChatwork、Microsoft Teamsなど、ツールに合わせて柔軟に通知先を設定することができます。通知先を自社の状況に合わせて選ぶことができます。
②アラート
全ての監視ルールには「Warning」「Critical」の2種類の閾値(しきいち)を設定できます。
「CPU使用率が70%を超えたらWarning、80%を超えたらCritical」などというアラートを発生させるように条件を指定することができます。
即時対応が必要なレベルのアラートかどうかを区別できます。
「Mackerel」のメリット
Mackerelの主なメリットをご紹介します。
メリット
導入スピード
使用しているサーバーにMackerelの監視エージェントをインストールするだけで、すぐにサーバー監視を始めることができます。細かい設定手順が無くても大丈夫です。
クラウドインテグレーション
複数の環境にまたがっている情報をMackerelで一元管理できます。例えば、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudとのインテグレーション機能を提供しています。複数環境にまたがっている情報をそれぞれでバラバラに管理するというのはストレスにもなるので、一元管理するのは魅力的です。
コンテナ監視
コンテナを使うことによってweb開発をより効率的にすることができます。mackerel-container-agent を使用することで、Amazon ECSやKubernetesなどのコンテナオーケストレーションプラットホームにおけるコンテナを監視できます。Amazon ECSはコンテナ化されたアプリケーションを簡単にデプロイ、管理、スケールするのに役立ちます。
プラグイン
プラグインによって監視エージェントを拡張することができます。プラグインはMackerelで公式に提供しているものもありますが、ユーザー自身で独自に作成することができます。便利なプラグインができれば公式プラグイン集へユーザー自身がcontributeすることも可能です。ユーザー自身がcontributeすることによって、オリジナリティーのあるプラグインを開発することもできます。
サイバーエージェントの導入事例
株式会社サイバーエージェントは、社内向けプライベートクラウド基盤構築において、監視ツールとして、Mackerelコンテナエージェントを活用しています。
Mackerelが評価されたポイントは「サイドカー」形態でした。
マルチテナントのコンテナ基盤でデーモンセットを利用する場合、監視ツールが高い権限を持つ必要があります。サービス側のエンジニアには管理者権限を渡さない開発方針だったため、コンテナ基盤を管理するインフラチーム側で監視ツールに対応しなければなりませんでした。サイドカーの場合、サービス側のエンジニアに任せることができる点、導入の敷居の低さがメリットとなりました。
まとめ
今回は、監視ツールとしてMackerelを簡単にご紹介しました。ポイントをまとめます。
Mackerelのポイント
- 無料トライアルから使い始めて、有料版に切り替えることもできる。
- 株式会社はてなの社内ツールが誕生背景にある。
- リソースの監視や状況を見てのアラートが可能。
- 導入メリットとしては導入の簡単さ、プラグイン対応などがある。
自社でMackerelのような監視ツールを導入して、監視体制を組んでAWS監視に取り組むのも選択肢のひとつですが、実際は監視にかかる人的リソースや業務負荷は増大する傾向にあります。
本業に集中するため、夜間や祝日を含む「24時間365日対応」のAWS監視サービスを取り入れて、Mackerel/Zabbix/CloudWatchを採用した監視体制を構築/強化する方法もあります。同時に検討してみてはいかがでしょうか。
参考文献
- Mackerel, Kubernetes活用のプライベートクラウド基盤と共に、新開発のMackerelコンテナエージェントを活用 〜サイバーエージェント〜, 2021年11月1日アクセス.