導入事例

AWS Partner Advanced Tier Services

公開日:

オンプレミス中心からクラウド×生成AIへ。
全社共通の生成AI基盤「Aivy」で
月375時間の業務削減を実現、社外AIサービス展開の足がかりにも インフラ知見の不足を伴走支援で補完し、
複数クラウドを組み合わせた構成で自社統制の生成AI環境を構築

Case study


キヤノンプロダクションプリンティングシステムズ株式会社

業種
印刷システム・ソフトウエア/プリントサービス
本社所在地
〒108-0075 東京都港区港南2-13-29 キヤノン港南ビル
公式サイト
https://corporate.jp.canon/profile/group/production-printing-systems
ソリューション
  • プロダクション印刷機器および消耗品の販売
  • 印刷前後処理加工機および印刷関連ソフトウエアの販売、保守サービスの提供
  • ワークフローシステムなどの開発・提供
  • プリントサービスの提供
  • マネージドクラウド for AWS
  • プレミアムサポート
  • AWS請求代行
  • Amazon Bedrock
  • 生成AI基盤

キヤノンマーケティングジャパングループの一員として、プロダクションプリンターの販売・サポートおよび関連ソフトウエアの開発を手がけるキヤノンプロダクションプリンティングシステムズ株式会社(以下、キヤノンPPS)。同社は2026年1月にデジタルイノベーション推進課を発足させ、社内の業務改善と新規ソリューション開発を見据え、自社統制下の生成AI基盤の構築に着手しました。

オンプレミス中心の運用から一歩踏み出し、AWS上に生成AIプラットフォーム「Aivy(アイビー)」を立ち上げるにあたり、インフラの伴走パートナーとして選定されたのがCloudCREWのマネージドクラウド for AWSです。今回のお取り組みを担当いただいたキヤノンPPSのシルヴァさまに、CloudCREWを選定された背景と、稼働後に得られた成果についてお聞きしました。

CloudCREWを評価した理由
Reason to value CloudCREW

  • レスポンスが早く、対応も丁寧
  • 求める保守サポートを過不足なく賄い、費用対効果も高い
  • 不足するインフラ知見をアドバイスから運用代行まで補完

解決された課題
What CloudCREW resolved

  • クラウド活用の知見不足を伴走支援で補える体制を確立
  • 生成AIの個別利用リスクを自社統制のAWS基盤で回避
  • 24時間監視と日次バックアップで少人数体制でも安定運用

インタビュー
Interview

インタビュイー紹介

キヤノンプロダクションプリンティングシステムズ株式会社
ソリューション開発本部 ソリューション推進部
デジタルイノベーション推進課
生成AI運用チーム リーダー
ダニエル ダ・シルヴァ 氏
サポート部門に在籍したのち、2026年1月に発足したデジタルイノベーション推進課で生成AI運用チームのリーダーを務め、生成AIを活用した社内業務改善と新規ソリューション開発を担う。

インタビュイーの所属、肩書などは取材当時のものです(2026年5月時点)。

オンプレミス中心の事業から、自社統制下のクラウド×生成AIへ

―貴社の事業内容と、シルヴァさまの担当領域についてお聞かせください。

当社はキヤノンマーケティングジャパングループの一員で、主にプロダクションプリンターの販売・サポートを軸に、関連ソフトウエアや開発系サービス、プリントサービスの提供を手がけています。最近は生成AI領域に力を入れ始めており、今後は生成AIを活用したサービスを積極的に展開していきたいと考えています。

私自身はもともとサポート部門に在籍していたのですが、2026年1月に発足したデジタルイノベーション推進課で、現在は生成AI運用チームのリーダーとして社内の業務改善と新規ソリューション開発に取り組んでいます。

―生成AIサーバーを構築されることになった背景についてお聞かせください。

これまではオンプレミスでのソフトウエア運用が中心でした。ただ、世の中はクラウドシフトが進んでおり、AWSをはじめとするクラウドのマネージドサービスを活用して低コストで効率よく動かしていくフェーズに来ていると感じていました。日頃から触れる環境がそもそもなかったので、まずは触って学べる場が必要だったのです。

加えて生成AIの動きです。バックオフィス業務やコールセンター支援など、デジタルのビジネスフローのなかでAIを使わない手はないと考えていました。一方で当然リスクもあります。一般的な社外の生成AIサービスをそのまま使うのではなく、AWS上のAmazon Bedrockなどを活用し、自社で統制が取れる環境を作る必要があると判断しました。社内の業務改善に加え、将来的には社外向けビジネスにもこの知見を活かしていきたいという狙いもあります。

―社内ではどのような用途を想定されたのですか。

自社構築した環境で、生成AIを使ってもらうことを「推奨AI」と位置づけ、議事録作成、スライド生成、チャットボットなど、さまざまなタスクでの利用を想定しました。各部門が他社サービスを個別契約するよりも、こちらで公認した環境を使ってもらう形にしたかったのです。シャドーIT的な状況を避けて統制を効かせる、ナレッジを集約していくといった狙いもありました。今後のビジネスへの応用を見据えると、自社で基盤から構築していないと提案がしづらいと判断しました。

クラウドの知見ゼロからのスタート。窓口担当者の対応の速さと、過不足ないコスト感が選定の理由に

―CloudCREWを選定されるまでの評価プロセスについてお聞かせください。

社としての方針が固まったのが2024年6月で、そこから複数のベンダーから話を聞きました。最終的には3〜4社のなかから比較検討し、2024年11月にGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社(以下、GMO-GSHD社)にお願いすることを決めました。GMO-GSHD社の窓口担当の方とのやり取りでは、レスポンスが非常に早く丁寧でした。加えて保守サポートのコスト感です。CloudCREWはコストパフォーマンスが高く、当社が求めるサービスのサポートをすべて賄えるという点に魅力を感じて採用させていただきました。

―求めていた保守サポートの要件はどのようなものでしたか。

インフラの知見がなかったので、その部分のアドバイスをいただきたいというのが大きかったです。AWSの簡単な操作でも、こちらで手が離せないときに依頼すれば対応してくれるなど、臨機応変な動きにも期待していました。生成AI自体は私が一定の知見があったので、そこを含むパッケージを提示する他社よりも、必要なインフラ部分のサポートに集中して相談できるGMO-GSHD社の体制が適していました。

―生成AI関連アプリを展開する環境としてAWSを選定された背景についてもお聞かせください。

私自身がAI駆動開発などをしているなかで、AnthropicのClaudeというモデルが日本語力の高さで非常に優れていると感じていました。当時いくつかの選択肢がありましたが、特に利用されるお客さまが多いAWSを選びました。将来的な提案も加味した判断です。

なお、生成AIモデルの選択肢を広げる観点から、さまざまなAIを併用しています。AWS環境を一貫してサポートしていただける点は、CloudCREWさんならではの強みだと感じています。

マルチクラウド・生成AIの基盤づくりを伴走。鍵レス認証とSSO二段構え、セキュリティを詰めた設計に

―プロジェクトの体制や進行についてお聞かせください。

2025年5月に生成AIサーバー立ち上げのプロジェクトが動き出しました。私がリーダーとしてアプリの開発から技術スタックの選定、運用、稼働までを進めていくなかで、非常に大変ではあったのですが、CloudCREWさんに本当に助けられたという感覚です。10月ごろの本番稼働を境にチームのメンバーが少しずつ加わり、現在は12名のチームになり今後もさらに規模を拡大していく予定です。

―構築期間中のCloudCREWとのやり取りはどのように進められたのですか。

詳細なヒアリングシートをいただいていたので、それを使ってやり取りを進めました。ただ、クラウド環境を立ち上げるのが初めてだったため、社内調整、例えばDNSの設定などで、もともとインフラ畑ではない自分が一から経路を確認し、いろいろな人に協力を仰ぎながら進める必要があり、そこで時間を要しました。CloudCREWの担当者が非常に丁寧に対応してくださって本当に助かりました。

―構築面で工夫されたポイントについてお聞かせください。

まず大きいのが、AWSと他クラウド間の鍵レス連携です。AWSからアクセスキーを発行せずに運用できる構成を実現しました。AWS側のIAMロールを活用した信頼関係のみで認証を成立させる設計です。アクセスキーを発行すると、更新やローテーション、紛失などによる情報漏えいリスクといった運用負荷が常につきまといます。それをまるごと排除できる体制を最初から整えていただけました。

加えて、生成AIサービスへの呼び出し経路も絞り込んでもらいました。Amazon Bedrockなど、複数のAIサービスへのアクセスは、生成AI基盤を設置したサーバーからのみに限定する設計です。利用者側もMicrosoft Entra IDのSSO認証を組み込み、接続元IP制限と認証の二段構えで、社内ユーザーだけが安全に使える環境になっています。

本番サーバーで万が一の障害が起きた際に困らないよう、毎日夜中にバックアップ取得する設定になりました。正常に復旧できるかどうかもCloudCREW側で定期的に確認していただいている状況です。監視はCloudCREWのマネージドクラウドで、24時間365日アラートが上がったら確認するフローを敷いてもらっています。

―運用フェーズでの伴走について、ご感想はいかがですか。

非常に助かっています。ちょうど先日障害があったのですが、そのときの復旧対応が非常に早かったのです。少し遅めの時間に連絡したのですが、担当の方がすぐに反応して復旧してくださいました。翌日になるかと思っていたので驚きましたし、契約してよかったと改めて感じました。

自社の生成AIプラットフォーム「Aivy」がもたらした変化と、これからの広がり

―本番稼働後の効果や、社内に訪れた変化についてお聞かせください。

おかげさまで、当社の生成AIプラットフォーム「Aivy」は、現在約7割の社員に使ってもらっています。AI駆動開発分を除いた、プラットフォーム経由での生成にかかっていた時間の削減効果として、月およそ375時間という数字が出ています。利用者からは「非常に便利かつ生産性が格段に上がった」という声をもらっています。

社内での利用を広げる活動としては、ポータルサイトを立ち上げて問い合わせ対応や勉強会の動画配信を行っており、定期的にアーカイブを見てもらえる環境を整えています。デジタルイノベーション推進課としても新しいことに取り組んで生成AIを新規ビジネスにつなげていくという目標があるので、既存業務だけでなくより新しい方向に目を向けてもらえる施策を考えていかなければと思っています。

―上層部・経営陣からの反応はいかがですか。

業務時間削減など「Aivy」導入による効果が数値に表れているので、非常に好評です。社内だけでなく社外展開についても期待が高まっています。生成AIビジネスは、大手ベンダーが提供するアプリ層とかぶるとそちらに置き換えられてしまう可能性があります。当社がもともと取り扱っている製品にAIを掛け合わせるような、ニッチな領域で攻めていく必要があると考えており、そこが今後の課題です。

社外展開のフェーズへ。次の一手もインフラは安心して任せたい

―今後の展望と、CloudCREWへ期待される点についてお聞かせください。

今後は社内だけでなく、社外向けにクラウドアプリをリリースしていく機会が増えてくると考えています。実際、すでに動き始めている案件もあります。その面で、インフラのサポートは安心して任せられるのがCloudCREWの魅力だと思っています。引き続き、長いお付き合いになるかと思いますが、よろしくお願いしますというところです。

―CloudCREWのマネージドクラウド for AWSは、どのような企業におすすめできるでしょうか。

インフラの知見が浅い段階から自社統制の生成AI基盤を持ちたい企業には、ぜひおすすめしたいと思います。私自身がその証人で、インフラ畑でないところからスタートし、アドバイスと運用代行の組み合わせでここまで走ってこられました。

AWSに加え、多様な環境をサポートしてもらえる点も大きいです。生成AIのモデル選択は今後も動き続ける領域ですので、AWS上の最新サービスを継続的に提案していただけるパートナーが横にいてくれるのは心強いです。

AWSシステム構成図
AWS system configuration

安全なVPC環境内に構築されたAmazon EC2サーバー群に加え、生成AI基盤であるAmazon Bedrock、データ保護のためのAWS Backup、証明書管理のACMを連携させたクラウド基盤の構成図です。

Amazon BedrockやAWS Backupを導入した、AWSの開発環境・本番環境ハイブリッドシステム構成図

AWSプロダクト

  • Amazon VPC
  • Amazon EC2
  • Application Load Balancer (ALB)
  • AWS VPN (AWS Virtual Private Network)
  • AWS Certificate Manager (ACM)
  • Amazon Bedrock
  • AWS Backup

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CloudCREWは、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供するマネージドクラウドサービスです。AWS環境の設計・構築・運用監視・請求代行をワンストップで提供し、クラウド活用を推進する企業を支援しています。AWSアドバンスドティアサービスパートナーとして、お客さまのビジネス課題解決に向けたインフラ伴走支援を行っています。