導入事例

AWS Partner Advanced Tier Services

公開日:

自社運用の想定と比べて80%のリソース削減。
セキュリティやAWS利用料、QCDの課題を解決 サービスリリースに合わせ、スピード感を重視。
パートナー選定の決め手は対応力と技術力

Case study


株式会社Arent

業種
ITサービス業
本社所在地
〒105-0013 東京都港区浜松町二丁目7番19号 KDX浜松町ビル3階
公式サイト
https://arent.co.jp/
ソリューション
  • 建設DXのコンサルティングや新規事業創出
  • 自社プロダクト「Lightning BIM」「PlantStream」の開発・販売
など
  • AWS監視・運用
  • マネージドクラウド for AWS
  • プレミアムサポート

建設業界が抱える、ニッチ領域の課題を解決するため、設計・施工管理システムであるBIMを活用したDX支援や自社プロダクト「Lightning BIM」シリーズを開発、提供する株式会社Arentさま。デジタル技術を活用した新事業を強みにサービスを展開する同社では、建設業界の現場で使用されるツールのアドインとして「Lightning BIM ファミリ管理」をリリースされました。今回の取り組みでは、同サービスを構築したAWS環境の監視・運用保守における課題を解決するため、CloudCREWのマネージドクラウド for AWSをご契約いただいています。
今回の取り組みを担当いただいたお二人に、CloudCREWのマネージドクラウド for AWSを導入いただいた背景と取り組みで得られた成果についてお聞きしました。

CloudCREWを評価した理由
Reason to value CloudCREW

  • サービスリリースに合わせ、取り組みにはスピード感を求めていた
  • 先回りして準備された提案などの対応力
  • アーキテクチャに合わせた監視・運用保守を組み立てられる技術力

解決された課題
What CloudCREW resolved

  • AWSの監視・保守運用を任せることができ、想定されたリソースのおよそ8割を削減できた
  • AWS環境の無駄を省くことができ、必要最低限のAWS利用料に抑えられている
  • 海外展開も見据えたセキュリティ環境を実現している

インタビュー
Interview

インタビュイー紹介

株式会社Arent
コンサルティング本部 コンサルティング部 マネージャー
後藤 正賢(ごとう まさたか)氏

コンサルティング本部 アプリケーションスペシャリスト部
鈴木 晃(すずき あきら)氏
設計や施工といった業務の整理・改善を実現するための実行支援を担っている。プロジェクトによっては、自社の開発部門とお客さまの間に入り、プロジェクトを管理するPMOの役割を果たす。

インタビュイーの所属、肩書などは取材当時のものです(2025年3月時点)。

AWS環境のセキュリティに加え、品質・費用・納期に課題を感じていた

―以前はどのようにクラウドを活用されていたのでしょうか。

後藤さま 建設業界では自社の知見やデータを外部に出さず、自社内で管理したいという考えが根強いため、建築物の設計図や施工管理といった資料をクラウド環境ではなく、オンプレミス環境で保管したいというお客さまが多い傾向にあります。

その一方で最近の建設業界では、ようやくクラウド活用に対して前向きな流れに変わりつつあります。こうした環境の変化を受けて、鉄筋を配置する配筋作業を効率化するアドイン「Lightning BIM 自動配筋」の仕組みの一部、具体的にはアカウント管理にクラウドサービスを導入しました。その他にも、社内で手掛けている受託開発にはAWSを用いた案件もいくつかあり、少しずつクラウド活用に対する知見や実績が社内に蓄積されていました。

鈴木さま 今回の取り組み以前、アカウント管理に導入していたクラウド環境では、アカウント数や扱うデータ量も多くはなかったため、監視・運用保守は社内のリソースでまかなっていました。また、AWSを用いた受託開発については、お客さまのご要望やプロジェクトによってバラバラに対応しており、社外パートナーさんにご依頼していました。

―「Lightning BIM ファミリ管理」のリリースにあたって、クラウド環境の監視・運用保守にどのような課題を抱えていたのでしょうか。

鈴木さま 「Lightning BIM 自動配筋」のアカウント管理に導入したクラウドサービスとの大きな違いは、セキュリティの重要性です。これまでの自社プロダクトのほとんどが、施工現場で使用される部材の名称や材質、価格といったデータをローカルで取り扱っていました。それに対して「Lightning BIM ファミリ管理」ではクラウド環境にデータを集約し、組織内のユーザーに情報を共有する仕組みとなっており、いわゆる“プラットホーム”のようなイメージになります。そのため、より多くのユーザーに使っていただくためにはセキュリティがとても大事な要素でした。

後藤さま 万全なセキュリティ対策を実現するためのクラウド環境を監視・運用保守していくためには、プロジェクトマネジメントにおいて重要な観点である「QCD(Quality:品質、Cost:費用、Delivery:納期)」に課題を感じていました。

まず品質面では、限られたエンジニアリングリソースを「Lightning BIM ファミリ管理」のアプリケーションの開発に専念させたいと考えていました。主にアプリケーションの開発を経験してきたエンジニアにインフラの保守運用を任せるのは現実的ではなく、新規のエンジニア採用もすぐには上手くいきません。しかし、インフラの品質を落とすことはできないため、専門家に任せるべきと判断しました。また、自社で新たに監視・運用保守を設計するには、かなりの費用や人的リソースがかかると判断しています。そして納期についても、安心できるクラウド環境のサービスを少しでも早くお客さまに提供するためには重要でした。

サービスリリースに合わせ、取り組みのスピード感を重視。先回りの提案に対しても高評価

―クラウドコンピューティングサービスにAWSを選定した理由をお聞かせください。

鈴木さま 過去に弊社が手掛けた受託開発でもAWSを活用していた実績があり、社内のインフラエンジニアからもAWSが推奨されました。弊社はエンジニア人材の採用を目的にベトナムに子会社を設立しているのですが、AWSによるクラウド環境開発を得意とするエンジニアが多いと聞いています。インフラ環境の開発においてAWSは特に慣れ親しまれたサービスであり、インターネット上にさまざまなノウハウが共有されていること、設計のしやすさ、そしてコスト面など、総合的な判断でAWSを選定しています。

―AWS マネージドサービスに弊社のマネージドクラウド for AWSを選定した理由をお聞かせください。

後藤さま AWS Japan の担当者の方にご相談し、監視・運用保守の協力パートナーとしてご紹介いただいたのが、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社(以下、GMO-GSHD社)でした。協力パートナーの検討時に私が特に意識していたのが、取り組みのスピード感です。検討していた時期がリリースまで時間がないタイミングでしたので、少しでも早く安心できるクラウド環境を実現できる技術力や対応力が求められました。

実際にGMO-GSHD社の担当者の方と打ち合わせをしたところ、リリース予定日から逆算し、私たちのアーキテクチャに合わせたサービスを組み立てていただきました。そこから信頼できる技術力だと判断しています。

GMO-GSHD社で特に印象に残っているのが対応力です。より具体的には私たちに足りないものを先回りして準備していただけました。初回のお打ち合わせ時に私たちのご要望を伝えたところ、もう次の打ち合わせ時には提案内容に反映されており、より具体的な施策をご提案いただけました。これによって協力パートナーの選定期間を2週間ほどに抑えることができ、想定よりも短期間でAWSの監視・運用保守の体制を構築することができています。

1ヶ月で監視・運用保守の体制を実現。プロダクトに対して適切なAWS利用料を判断できた

―CloudCREWのマネージドクラウド for AWSのご活用はどのように進行しましたか。

鈴木さま 取り組み開始からおよそ1ヶ月でAWSの監視・運用保守の体制を実現できました。取り組み開始時に担当者の方からご提案いただき、CloudCREWのAWS請求代行も契約しています。もともと「Lightning BIM ファミリ管理」の事業は、社内の新規事業としてスモールスタートで立ち上げられた背景があるため、AWS請求代行でAWS利用料を安くできたのは嬉しいポイントです。

後藤さま AWS請求代行をご依頼させていただいたもうひとつの狙いは、「Lightning BIM ファミリ管理」に対してAWS環境のスペックやサイジングが適切であるかどうか、AWS利用料が適切であるかどうか、客観的かつ専門的な目線からアドバイスが得られることでした。過去にはAWSの利用料が適正以上の金額になってしまったケースを経験しており、費用の妥当性までアドバイスいただけるのは高評価です。実際には定例会の時間に「無駄なデータのやり取りが発生してしまう設定を変更すれば、コストが少し下がります」といったアドバイスをいただきました。

―印象に残っているエピソードをお聞かせください。

鈴木さま 弊社の開発側の都合で、取り組み全体の動きが少し遅くなってしまうトラブルが発生した時期がありました。しかしクラウド環境についてはGMO-GSHD社にお任せしている状況でしたので大きな影響を受けることなく、弊社側の負担軽減に貢献いただきました。

また、プロジェクト・工数管理ツールを活用することができ、現在どのような課題に対処しているのかを定例会で進捗を確認できています。監視・運用保守を丸投げできたことで、私たちの負担が大きく減って助かっています。

自社でAWSを運用していた想定と比べて8割のリソースを削減。最小限の利用料に抑えられている

―AWSの監視・運用保守で抱えていた課題は解決されましたか。

鈴木さま はい、解決できたと考えています。社内のエンジニアリングリソースでは限界があったところ、AWSの監視・運用保守をほとんどお任せできているのは、大きな成果です。自社で監視・運用保守の体制を実現できた場合と比較すると、およそ8割のリソースを削減できている計算になります。現在私たちがAWSの監視・運用保守に関わっているのは、定例会への参加や各種設定の変更といった対応のみです。

また、AWS請求代行のおかげでAWS利用料についても可能な限りの無駄を省くことができ、現状が最適な構成だと考えています。スケーラビリティ、つまり拡張性を残している構成ですので、今後さらに「Lightning BIM ファミリ管理」の導入社数、アカウント数が増えていけばサーバーを増設していき、常に最適な設定を保っていきたいですね。

後藤さま セキュリティについても安心しています。GMO-GSHD社をはじめ、GMOインターネットグループの企業はセキュリティやインフラ領域に強みを持たれていると考えています。将来的には「Lightning BIM ファミリ管理」の海外展開も検討しており、海外のビジネス環境に沿ったセキュリティを実現していくためにも、安心できるパートナーだと評価しています。

DXが進まない建設業界を変えていくため、クラウドの強みを活かした事業展開を

―今後の展望をお聞かせください。

鈴木さま GMO-GSHD社によるAWSの監視・運用保守のおかげもあり、「Lightning BIM ファミリ管理」のAWS環境はとても安定しています。今後はさらに導入社数、アカウント数を増やしていくために販促活動を強化していきたいですね。今後さらにアカウントが増えていけば、セキュリティの機能強化やサイジングの変更なども必要になってきますので、その際には引き続きアドバイスやサポートをいただければと思います。

後藤さま なかなかDXが進まない建設業界において、受託開発だけでなく自社プロダクトの展開においても、クラウドの強みをしっかり活かした事業を展開していきたいですね。その際にも引き続きGMO-GSHD社にはご支援いただければ嬉しいです。

―今回ご活用いただいたマネージドクラウド for AWSは、どのような企業におすすめできるでしょうか。

後藤さま 「自分たちはAWSで何をやりたいのか」「AWSを活用したいが、自社には何が足りないのか」といった悩みや課題を、GMO-GSHD社に対して率直にご相談するのがよいと思います。今回の弊社の取り組みではQCD、特にスケジュールをとにかく死守したいという背景があり、そのことを率直にご相談させていただいた結果、無事にスケジュール通りに進行することができました。

変にかっこつけて相談するのではなく、AWS環境をGMO-GSHD社にお任せして自分たちが本当に取り組まねばならない仕事に集中するといったお付き合いの仕方がベストだと、私は考えています。

AWSシステム構成図
AWS system configuration

鉄筋を配置する配筋作業を効率化するアドイン「Lightning BIM 自動配筋」の仕組みの一部、具体的にはアカウント管理にクラウドサービスのAWS構成図

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