
AWSの導入や運用を検討しているものの、「どの企業に依頼すればいいのかわからない」と悩む方も多いでしょう。AWSには、パートナーとして認定を受けた企業が参加する「AWSパートナーネットワーク(以降、APN)」があります。また、実績や技術力に応じて「ティア」が決まるランク制度が設けられています。受けられる支援内容や技術的な信頼性はティアによって異なるため、パートナーの選定はAWS導入を成功させるための重要なポイントです。
本記事では、AWSパートナーの概要に加えて、ティア(ランク)の種類と申請要件もわかりやすく解説します。
AWSパートナーの基礎知識
AWSパートナーの概要と、APNについて解説します。
AWSパートナーとは?
AWSパートナーとは、AWSから公式な認定を受けた企業のことです。AWSを活用したソリューションの提供、AWSのクラウドサービス導入・構築・運用などを支援するのが特長です。
AWSは仮想サーバーのAmazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)、Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)をはじめとするストレージのほか、データベース・AI・IoTなどに関する幅広いサービスを提供しています。これらにより物理サーバーのコスト削減などが期待できますが、その導入・運用には専門的な知識が欠かせません。
AWSパートナーは、豊富な技術力と経験をもとに、クラウド環境の設計から構築・移行と運用までを総合的に支援します。クラウドによる最適化やコスト削減、セキュリティの強化など、企業ごとの課題に合わせたソリューションの提案が可能です。
AWS公式の認定を受けた企業であり信頼性が高いため、安心してクラウド導入を任せられるでしょう。

APNとは?
APNは、AWSの技術を活用して顧客にサービスを提供する企業のためのグローバルコミュニです。
AWSパートナーとして活動するには、APNへの登録が必須です。
APNに登録すると、AWSのトレーニングを受けたり、AWS認定資格を取得したりする機会が得られます。AWSのスキルや専門知識が高まることで、顧客にとって効果的なソリューションを提供できるようになります。
AWSパートナーの登録方法と5種類のパートナーパス

AWSパートナーになるには、APNへの登録に加え、AWSパートナーとして認定されるための手続きが必要です。APNに登録する方法と、パートナーに必要なパスの選択について解説します。
APNの登録方法
APNの登録手続きは、「AWSパートナーセントラル」というポータルサイトから行います。アカウントは法人単位で、企業情報やメールアドレスを登録して作成します。
AWS パートナーセントラルスタートガイドによると、APNへの登録に必要なステップは以下の通りです。
- AWSパートナーセントラルにアクセスする
- 法人アカウントの作成を開始する
- アライアンスリードに関する情報を入力後、同意する
- パスワードを設定する
- APNに参加する理由を選択する
- アライアンスリードの連絡先を入力する
- 企業の基本情報、事業情報を入力する
- 「AWSパートナーネットワーク条件」に同意する
- APNの資格情報を受け取る
法人がAPNに登録するには、アライアンスリードの選定に加え、会社のドメインが入ったメールアドレスとAWSパートナーネットワーク条件への同意が必要です。Gmailなど、個人のメールアドレスは使用できません。
APNへの登録が完了すると、各種プログラムへの参加や販売促進に役立つツールの利用など、さまざまな特典を受けられるようになります。
アライアンスリード(alliance lead)とは、APNにおいて連絡窓口となる代表者のことです。「AWSパートナーネットワーク条件」への同意などを行える、法的権限を持つ人物が担当する必要がありますが、必ずしもCEOや社長でなくてもかまいません。
なお、APN登録時の同意やほかのAWSアカウントとの連携にはアライアンスリードの権限が必要ですが、その後の操作は既存ユーザーにクラウド管理者(cloud admin)権限を割り当てて委任することも可能です。
AWSパートナーにおける5種類のパス
APNに登録したあとは、ビジネスモデルに合うパートナーパスを選ぶ必要があります。
AWSパートナーパスとは、顧客に提供する製品やサービスなど、ビジネスの内容に応じた区分のことです。AWSの活用を加速するフレームワークであり、企業が専門性を発揮して市場への参入やビジネスの強化を果たすのに役立ちます。
ビジネスの内容により、5種類のパートナーパスが展開されています。
・ソフトウェアパス
ソフトウェアパスは、AWS上で稼働する、またはAWSと統合されたソフトウェア製品の開発・提供を手がける企業向けのパートナーパスです。例としては、SaaSやミドルウエア、APIなどが挙げられます。
APNに登録して ソフトウェアパスにエンロールすると、AWS Foundational Technical Review(FTR)を利用してソリューションの設計・運用を検証できます。FTRはソフトウェアパスへの参加自体の必須条件ではなく、FTRを完了することでソフトウェアパスにおけるValidatedステージへの移行や、AWS Partner Solutions Finderへの掲載、バッジ付与など、追加の認定・特典を得られます。
・ハードウェアパス
ハードウェアパスは、IoTデバイス・ネットワーク機器・ゲートウェイなど、AWSと連携するハードウェア製品を提供する企業を対象とするAWSパートナーパスです。
ハードウェアパスで認定されるには、「AWS デバイス認定プログラム」でデバイスの評価を受ける必要があります。
・サービスパス
サービスパスは、コンサルティング・設計・構築・移行・運用・保守・マネージドサービスや、そのほかの付加価値を提供する企業を対象とするAWSパートナーパスです。
サービスパスの認定には、セレクト・アドバンスト・プレミアのいずれかのティアが求められます。ティアごとの技術力や実績の評価に応じて、AWSとの協働によるビジネスや、販売促進の機会を得られます。
・トレーニングパス
トレーニングパスとは、AWSに関するトレーニングをビジネスにする企業に適したパートナーパスです。具体的には、認定資格の取得を支援するプログラムの提供・販売、認定講師の派遣、研修の教材・プログラムの提供などが挙げられます。
・ディストリビューションパス
ディストリビューションパスは、AWS製品・サービスの開発・再販を行うパートナーを募集し、教育や 支援をする企業や組織に向けたパートナーパスです。
請求代行やライセンス管理、流通チャネルの構築・拡大支援などで、パートナーを間接的にサポートできるようになります。
AWSのパートナーランクに該当する「ティア」とは?

AWSパートナーティア(Tier)は、AWSパートナー企業の実績・技術力・顧客満足度などに対する評価であり、「パートナーランク」に相当するものです。AWS公式のランク制度によって決まる、AWSの導入支援力や技術的信頼性を可視化する重要な指標だといえます。
AWSでは、企業が提供するソリューションやサポート体制を総合的に評価し、高い基準を満たした場合にのみ上位ティアを認定しています。上位ティアに認定されると、販売・技術・マーケティングに関する手厚い支援を受けられ、顧客からの信頼度も大きく向上します。
ただし、ティアの認定はAPNへの登録だけでは受けられません。AWS認定資格を持つエンジニアの人数や、導入実績・顧客事例・社内体制などの要件を満たしたうえで、AWSに申請し審査を通過する必要があります。
AWSのティア制度は、企業がAWSの活用能力を示し、信頼ができるクラウドパートナーとして認知してもらうための重要な仕組みだといえます。
3種類のAWSサービスパートナーティアと申請の要件
ここでは、サービスパスを選択した場合に申請できる、3種類のティアの概要と要件について解説します。
【1】AWSセレクトティア
AWSセレクトティア(Select Tier)は、AWSパートナーとしての第一段階に位置するランクです。トレーニングと認定を受けた人員を擁し、ある程度の顧客対応実績がある組織を対象とします。
ティアの認定は、認定資格者の人数のほか、立ち上げ済み収益機会(Launched Opportunities)や月次経常収益(MRR)などのビジネス指標から判断されます(定量要件)。セレクトティアに認定されると、AWSからの支援によりマーケティングリソースやAWS公式ロゴの使用といった特典を利用可能になります。
【2】AWSアドバンストティア
AWSアドバンストティア(Advanced Tier)は、高い技術力と実績を持つ企業を対象とした中級~上級ランクのティアです。
アドバンストティアの認定には、セレクトティアを上回るAWS認定資格者数・立ち上げ済み収益機会・月次経常収益が求められます。加えて、成功事例数や顧客満足度も評価基準となっています。
【3】AWSプレミアティア
AWSプレミアティア(Premier Tier)は、AWSパートナーのなかで最上位に位置するランクです。
プレミアティアの認定を受けた企業は、地域や業界におけるクラウド活用のリーダーとして認知されます。高度な専門性と大規模な導入実績に加え、多数の認定技術者・上位レベル(プロフェッショナル/スペシャリティ)資格の取得・複数の技術検証プログラムの通過など、より厳しい要件の達成が求められるパートナーティアです。
プレミアティアに認定されると、アドバンストティアの特典に加え、AWS Global Sponsorship Program などのマーケティング支援を活用できるほか、大規模イベントでの協業機会や露出機会を得やすくなります。
ティアの申請に必要な要件
AWSサービスパートナーティアに申請するには、知識・実績・ビジネス規模の3要素をバランスよく満たす必要があります。3種類のティアにおける申請要件は、以下の通りです。
| 要件/ティア名 | セレクトティア | アドバンストティア | プレミアティア |
|---|---|---|---|
| 認定取得者 | 4人のプロフェッショナル (技術2人・ビジネス2人) | 8人のプロフェッショナル (技術4人・ビジネス4人) | 20人のプロフェッショナル (技術10人・ビジネス10人) |
| AWS 基礎認定取得者 | 2人 | 4人 | 10人 |
| AWS 技術認定取得者 | 2人 | 6人 (最低3人のプロフェッショナルまたはスペシャリティ) | 25人 (最低10人のプロフェッショナルまたはスペシャリティ) |
| 立ち上げ済み収益機会 | 3件 (合計MRR1,500USD以上) | 20件 (合計MRR10,000USD以上) | 50件 (合計MRR50,000USD以上) |
AWSパートナーなら「CloudCREW byGMO」
AWSパートナーのティア制度では、上位のティアほど豊富な実績と高い専門性があると認められます。特に、最上位のプレミアティアに認定されれば、AWSとの強固な連携・支援体制を得ることが可能です。
とはいえ、プレミアティアの企業はAWSパートナーのごく一部であり、エンタープライズといった大企業向けのサービスを中心とする傾向があります。AWSの導入でパートナー企業を選ぶ際は、ティアはあくまで判断基準の一つだと考えましょう。
東証プライム上場企業であるGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が運営するCloudCREWはアドバンストティアに認定されており、企業のAWS活用を総合的に支援するマネージドサービスとして高く評価されています。
CloudCREWなら、AWS環境の設計・構築・監視・運用までをワンストップで行い、コスト最適化からセキュリティ管理・運用自動化まで幅広く実現できます。専門エンジニアによるサポートと、24時間365日対応の体制により、AWSの利便性と安定稼働を両立させることが可能です。
まとめ
AWSパートナー制度は、AWSの導入・活用をサポートする企業を体系的に評価する仕組みです。AWSパートナーになるにはAPNに登録し、技術者資格の取得、ビジネス実績の蓄積などの要件を満たす必要があります。AWSパートナーのランク制度であるティアには複数の段階があり、上位ティアになるほど技術的支援や販売促進のサポートが強化されます。
アドバンストティア以上のAWSサービスパートナーであれば、AWS認定資格を持つ多数の技術者により個別の課題に応じた最適なクラウド環境を構築できるため、AWSの導入・運用を安心して任せられるでしょう。パートナー企業を選ぶ際には、アドバンストティアのCloudCREWへお問い合わせください。
参考文献
- AWS、AWS パートナーネットワーク、2026年5月7日アクセス
- AWS、AWS パートナーネットワークのサービスティア、2026年5月7日アクセス
- AWS、Becoming an AWS Partner – AWS Partner Central、2026年5月7日アクセス
- AWS、AWS パートナーセントラル 登録とログイン ユーザーガイド、2026年5月7日アクセス
- AWS、AWS パートナーネットワークへの登録 – AWS Partner Central、2026年5月7日アクセス
- AWS、AWS アカウントのリンクに関するよくある質問 – AWS Partner Central、2026年5月7日アクセス
- AWS、Linking AWS Partner Central and AWS Marketplace – AWS Partner Central、2026年5月7日アクセス
- AWS、AWS パートナーのパス、2026年5月7日アクセス
- AWS、FY24 AWS Summit サービスパス説明資料Ver2、2026年5月7日アクセス
- AWS、Device Qualification Program、2026年5月7日アクセス
当記事の監修
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が運営するCloudCREW byGMOでご紹介する記事は、AWSなど主要クラウドの認定資格を有するエンジニアによって監修されています。

